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時事

第129回社会保障審議会医療保険部会開催

府医ニュース

2020年9月2日 第2939号

医療保険制度改革に向けた議論の進め方

 第129回社会保障審議会医療保険部会が7月9日に全国都市会館大ホールにて開催された。
 同部会では、議題に挙がっていた医療保険制度改革の今後の進め方に関する協議の前に、昨年6月以降の議論の経緯が示された。まず、3月の第126回医療保険部会において「大病院への患者集中を防ぎかかりつけ医機能の強化を図るための定額負担の拡大」と「薬剤自己負担の引上げ」を審議。続く第127回医療保険部会では▽傷病手当金▽任意継続被保険者制度▽負担への金融資産等の保有状況の反映の在り方▽医療費について保険給付率(保険料・公費負担)と患者負担率のバランス等を定期的に見える化しつつ、診療報酬とともに保険料・公費負担、患者負担についての総合的な対応▽新規医薬品や医療技術の保険収載等に際して、費用対効果や財政影響などの経済性評価や保険外併用療養の活用▽予防・健康づくり――に焦点が当てられたことを振り返った。その後、4月~5月は新型コロナウイルス感染症の感染拡大状況等に鑑み議論は中止されていたと指摘。6月25日には、本紙第2936号の本欄で報告した全世代型社会保障検討会議の第2次中間報告が公表され、医療においては昨年12月の中間報告で示された方向性や進め方に沿って、更に検討を進め、本年末の最終報告において取りまとめることとなった旨が報告された。
 以上を受けて、「医療保険制度改革に向けた議論の進め方(案)」が示された。すなわち、同部会では「新経済財政運営と改革の基本方針2019(令和元年6月21日閣議決定)」や「全世代型社会保障検討会議中間報告(元年12月19日)」等を踏まえ、医療保険制度改革についての議論が進められてきたことをあらためて指摘。同部会では2年夏の取りまとめを予定していたものの、全世代型社会保障検討会議が、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い審議を一時中断したことから、今後の議論の進め方について言及した。同部会では、全世代型社会保障検討会議の議論の状況も踏まえて進めていくことが前提となっており、「取りまとめの時期を本年末に延期し、次回以降に具体的な議論を進めていくこととしてはどうか」との提案がなされた。
 以上の医療保険部会の議論の進め方をみても、「全世代型社会保障検討会議」の重要性が再認識され、今後ともに注視していく必要が痛感される。なお、次の議題である「匿名レセプト情報等の提供に関する専門委員会の設置について」は後日報告する。(中)