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医師・医療関係者のみなさまへ

大阪府地域医療推進協議会

府医ニュース

2020年9月2日 第2939号

新型コロナ禍 府民の健康へ団結

 令和2年度第1回(通算94回)大阪府地域医療推進協議会が7月31日午後、大阪府医師会館で開催され、加盟団体の代表者など約70人が参集した。

医療・福祉側から命と健康を守る政策を訴える

 司会は、栗山隆信・大阪府医師会理事が務めて開会し、出席団体を紹介。続いて役員選出が行われ、互選により協議会長に茂松茂人・府医会長、副会長に太田謙司・大阪府歯科医師会長および高橋弘枝・大阪府看護協会長、監事に乾英夫・大阪府薬剤師会長および滝本美津代・大阪府母子寡婦福祉連合会理事長――が選任された。
 茂松協議会長はあいさつで、7月上旬の九州に続き東北地方での記録的な大雨による被害発生に言及。「地球温暖化が原因の異常気象による大災害への対応が全くなされていない」と苦言を呈した。その上で一人ひとりの日々の災害への備えが重要と述べた。
 更に、新型コロナウイルス感染症の再拡大に触れ、大阪でも7月下旬から1日200人を超える感染者が発生していることを危険視。経済を回しながら感染を抑える政府の舵取りに対して、我々医療・福祉側からしっかり意見していくと力を込めた。
 また、大阪府の健康指標は全国でも低位だと指摘。行政の財政状況が極めて厳しいとしながらも、大阪府地域医療推進協議会が一致団結して、大阪府民・市民の命と健康を守る政策をしっかりと訴えねばならないとし、医療・福祉の向上のため協力を呼びかけた。

加盟は34団体に

 議事では、大阪介護支援専門員協会および大阪介護福祉士会の本協議会への新規加入申請が承認され、加盟団体は34団体となった。

大阪府・大阪市の予算編成に対する要望事項など協議

 引き続き、令和3年度大阪府・大阪市の予算編成に対する要望事項を協議。主な事項として、▽新型コロナ対策への保健所の体制整備、およびパンデミックに備えた医療器材確保などの支援(大阪府看護協会)▽高齢者の保健事業と介護予防が一体的に実施される際の専門職配置への支援(大阪府作業療法士会)▽「妊娠・出産・子育てに関する無料電話相談」運営への財政支援、産後ケア事業の取り組みへの指導(大阪府助産師会)▽新型コロナ感染拡大防止のための衛生材料等の継続的な提供、在宅関連職種への感染予防対策啓発研修への支援、および精神疾患のある利用者への地域包括ケアシステム構築などへの助成(大阪府訪問看護ステーション協会)▽「理学療法週間」および臨床実習指導者講習会事業への支援、学校保健における理学療法士の活用(大阪府理学療法士会)――などの提案がなされた。
 なお、8月19日午後は大阪市役所、24日午後には大阪府庁を訪れ、これらを集約した次年度予算編成にかかる要望書を提出した。

大阪府地域医療推進協議会

 昭和48年に設置され、現在34団体が加盟。大阪府民の健康の増進と福祉の向上を図るため、医療および福祉行政の拡充強化を目指し活動を展開している。その一環として、地域住民のニーズを施策として反映できるよう、例年、大阪府および大阪市の予算編成に際して要望などを伝えている。