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府医ニュース

2020年8月26日 第2938号

 ◆新潟長岡から足を伸ばし、刈谷田川ダムへ。満々とした湖水はなく川底が見えている。洪水調節機能を発揮するため、貯水量は最小限にしているとのこと。
 ◆信濃川の支流である刈谷田川は、氾濫を繰り返していた。昭和55年刈谷田川ダムが建設された。治水機能と水道用水・工業用水・農業用水・発電と利水機能を併せる多目的ダムとして地域の柱となる。
 ◆平成16年の「新潟・福島豪雨」では、300万立方㍍余り貯水を増したが、放水量を抑えられず下流域で氾濫が発生した。気候変動による集中豪雨の多発に加え、経済活動の変化で、利水の必要性が低下した。結果、23年に平時の貯水量を抑え、集中豪雨に備える治水を主眼とする運営に変換された。
 ◆地域医療構想の論議では、急性期病床の再編が医療政策の眼目である。都市部では急性期病床の削減が提示されている。しかし、COVID―19禍での医療資源の窮状を見ると、急性期病床の質と量の在り方を再考せねばならない。利水から治水へダムの機能を見直したように。(翔)