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医師・医療関係者のみなさまへ

周産期医療研修会

府医ニュース

2020年7月29日 第2935号

NMCS OGCS 更なる発展へ

 大阪府医師会は2月15日午後、令和元年度第4回周産期医療研修会を大阪府医師協同組合で開催(大阪府委託事業)。「大阪府の周産期医療体制2020」をテーマに実施し、125人が受講した。
 開会にあたり笠原幹司理事があいさつ。日頃からの周産期医療体制への理解・協力に謝意を表し、更に充実した体制を構築していきたいと述べた。
 続いて、亀谷英輝氏(大阪府済生会吹田病院周産期センター長・産婦人科統括部長)が座長を務め、市場博幸氏(大阪市立総合医療センター新生児科主任部長・総合周産期母子医療センター長)が「大阪新生児診療相互援助システム(NMCS)の実績と活動」と題して講演。NMCSでは、昭和52年の設立時から、①大阪で出生した中等度・高度の診療が必要な新生児は産科からの紹介に応じて全数受け入れ②新生児診療施設は相互交流を深め診療内容を向上③周産期医療の地域診療体制整備のため具体的活動を推進――を目的に掲げて活動してきたと解説。その結果、大阪における新生児医療の地域化の達成、新生児搬送システムの確立に至ったと述べた。
 次に、光田信明氏(大阪母子医療センター副院長)が「OGCSの実績と現在のシステム」をテーマに登壇し、OGCSの歴史を振り返った上で、活動実績を紹介。年間で産科搬送が約2千件、婦人科搬送が約600件の規模で推移しているとした。また、搬送現場での様々な事例に対応するため、産婦人科一次救急体制、最重症合併症妊産婦受入体制などを整備していると説明。更に、「夜間・休日におけるOGCS搬送の手引き」を提示し、「最重症妊産婦は救急隊を要請」「搬送受入施設はまず胎児救急か母体救命か確認」などポイントを解説した。最後に、出産の安全性を更に高めるには、これまでの何倍もの労力が必要であるとし、妊娠が内包している母児の危険性を啓発していくことが大切とした。