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将棋部だより

3月例会の成績 松村六段が全勝優勝

府医ニュース

2020年6月3日 第2930号

 3月15日に今年2回目の例会を、大阪市中央区谷町の大阪府社会福祉会館で開催した。モクレンが大きな花を咲かせていた。よく晴れた日だった。
 精神科医の斉藤茂吉先生は、スペイン風邪に罹られ、回復された後に「はやりかぜ一年(ひととし)恐れ過ぎ来しが吾(われ)は臥(こや)りてうつつともなし」とお詠みになられた。大変苦しまれ、死ぬのではないかと恐れられたようである。我々は新型コロナウイルス感染症に罹らないよう、部屋のドアを解放したまま対局した。
 参加者は6人だった。時間切れで負けた者がいた。また、同じ筋に歩を2枚打つという反則を犯して負けた者もいた。その上、双方の王将が敵陣に逃げ込んでしまい、絶対に詰まなくなったので引き分けになるという、極めて珍しいことまでが起こった。
 松村六段(池田病院/東大阪市)が、終始落ち着いた差し回しで、危なげのない勝利を重ねて全勝し、久しぶりに優勝した。3勝1敗の準会員二段が2位になり、2勝2敗の東森五段(平野区)が3位になった。他の参加者は、手島七段(和泉市)、伊藤五段(野崎徳洲会病院/大東市)、濱田五段(東住吉区)だった。
 9年前に新実存主義を提唱したマルクス・ガブリエル氏は、「ひとつの全体としての実在などというものは無い。すなわち、万人にとってのひとつの世界といえるものは無い」と主張した。将棋の盤上には、対局者にしか見ることができない世界が現れるものである。対局するということは、そのような世界を相手と共有することだ。
 我々が患者を診察する際にも、同様の事態が起こっているのではなかろうか。
 入部をお望みの方は、いずみがおかメンタルクリニックの手島(電話0725―56―2727)までご連絡ください。
報告
 手島愛雄(和泉市)