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日本医師会

府医ニュース

2020年5月27日 第2929号

COVID―19有識者会議発足

 1月15日に新型コロナウイルス感染症(COVID―19)感染者が、初めて日本国内で報告され、その後の急速な感染者の増加により、4月7日、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言が、大阪府を含む7都府県に発令され、4月16日には対象が全都道府県に拡大された。期間は、当初、4月7日から5月6日までとすることが公示されたが、5月4日、政府は感染者の減少傾向はみられるものの、いまだ十分ではないとの理由で5月31日まで延長することを決定した。
 大阪府では緊急事態宣言を受け、対策本部長(知事)権限により、府民に向けての外出自粛要請を行うとともに、様々な支援策を示してきたが、緊急事態宣言の延長に伴い、5月5日、府独自の基準に基づく自粛要請・解除および対策の基本的な考え方「大阪モデル」を作成した。その概要は、▽客観的なモニタリング指標の設定▽指標の見える化により府民の行動変容を促す▽基準に基づく自粛要請・解除などの対策を段階的に実施▽陽性者数等を踏まえた必要な感染拡大防止策の実施(クラスター対策、検査体制や医療提供体制の充実等)――である。
 モニタリング指標としての分析事項としては、①市中での感染拡大状況については、新規陽性者における感染経路(リンク)不明者前週増加比、新規陽性者におけるリンク不明者数②新規陽性者の発生状況・検査体制の逼迫状況として、確定診断検査における陽性率③病床逼迫状況として、患者受入重症病床使用率――である。これらは、5月15日までの暫定的なものとされている。
 このように、各都道府県独自の対策が行われるとともに、厚生労働省、日本医師会、関連学会、関連団体、各種メディアなどからCOVID―19についての情報が連日発信されている。その情報量は、国からの通知も含めて膨大であり、経過により刻々と内容も変化している。
 そのような中、日医は、4月18日、永井良三・自治医科大学長を座長として様々な領域の専門家で構成される「COVID―19有識者会議」を設置した。会議では、5月7日に特に重要とされる項目については、タスクフォース(TF)として、①COVID―19感染対策におけるPCR検査実態解析と利用推進TF②救急医療ならびに中等症以上のCOVID―19対応にかかわるTF③在宅医療にかかわるTF④COVID―19集中医療体制にかかわるTF――を立ち上げた。
 情報が混乱している状況下、今回、日医内に設置された「COVID―19有識者会議」から、強いエビデンスに基づいた、より整理・統合されたプラクティカルな情報が、医療現場に発信されることを期待する。