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医師・医療関係者のみなさまへ

あすか会研修会

府医ニュース

2020年1月15日 第2916号

災害時における医師会活動を協議

 令和元年度あすか会研修会が令和元年11月16日夕刻、大阪市内のホテルで開催された。同会は、南河内ブロックの医師会(藤井寺市・大阪狭山市・富田林・河内長野市・松原市・羽曳野市)および八尾市・柏原市医師会により構成。今年度は羽曳野市医師会(調子和則会長)が主務を担当した。
 開会にあたり調子・羽曳野市医師会長があいさつ。災害時における医師会活動について学んでいただきたいと呼びかけた。
 次に、茂松茂人・大阪府医師会長が来賓あいさつを行い、9月および10月の台風による被害に言及。台風の勢力が強くなり、甚大な被害が発生しているため、今後も注意が必要とした。また、後期高齢者の窓口負担の2割への引き上げ、受診時定額負担の導入、医薬品の保険給付範囲見直しなどが検討されているとし、早期発見・早期治療ができなくなると危惧。国民とともに声を挙げていかねばならないとした。最後に、大規模自然災害による被害が相次ぐ中、災害医療は時宜にかなったテーマであるとし、「十分に議論し、その内容を府医に挙げてほしい」と訴えかけた。
 続いての第一部では鍬方安行・府医理事が「大規模災害時の被災者医療と地区医師会に望まれる活動について」と題して基調講演を行い、阪神淡路大震災での教訓や、DMATおよびJMATの役割などについて解説。大規模災害では長期にわたって医療・保健の需要が存在し、なかでも災害関連死の抑制が重要であるため、医師会の果たすべき役割は大きいと強調した。更に、地域防災の仕組みと流れ、被災地の地区医師会の責務などについて説明。最後に、日本医師会によるJMAT研修の標準化に触れ、府医実施分への参加を呼びかけた。
 第二部では、シンポジウム「災害時における医師会活動」を実施し、長﨑雄二・藤井寺市医師会副会長、藤江博・柏原市医師会長、貴島秀樹・八尾市医師会副会長、穴川大三郎・大阪狭山市医師会副会長、赤松幹一郎・富田林医師会副会長、山上喜由・河内長野市医師会理事、妻谷憲一・松原市医師会副会長、土屋英人・羽曳野市医師会理事――が登壇。被災時の安否確認および各方面の情報確保、応急救護所・避難所・救護所の運営と人員確保、災害対策における行政との連携についての取り組みと問題点・課題等――について報告・意見交換を行った。