TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ

新春のごあいさつ

大阪府医師会 副会長  中尾 正俊

府医ニュース

2020年1月1日 第2915号

地域医療構想、地域包括ケアの深化・推進

 新年明けましておめでとうございます。会員の皆様方には、ご家族とともにご健勝に新年をお迎えになられたこととお慶び申し上げます。
 我が国の人口は、2010年には1億2800万人台に達しましたが、それ以後は人口減少社会に突入しています。今後は、更なる「都市化」と地方の「過疎化」が進展し、都市化社会では、独居高齢者や高齢者夫婦のみの世帯が増加します。更に、後期高齢者の増加により、日常的に医療・介護が必要な人や認知症高齢者等、生活に支援が必要な人が増加します。「高齢者の慢性心不全、脳血管障害、肺炎、骨折が増加する疾病構造の変化に向けて、地域の医療・介護サービスをどのように提供すべきか」についてしっかり議論していかなければなりません。
 さて、昨年9月に具体的対応方針の再検証の要請対象となる公立・公的病院が公表され、大阪府では10の公立・公的医療機関が再検証を要する病院とされました。これにより、各病院へ通院されている患者さんや勤務されている職員に、想像以上の混乱を招きました。更に、厚生労働省は、地域医療全体を見直す観点から、民間医療機関についても競合状況の可視化が必要と考えており、引き続き、国の動きを注視しなければなりません。
 このように医療現場が混乱している中で、地域医療構想の推進に向け、各地域において病院連絡会、医療・病床懇話会、保健医療協議会での議論が本格化しています。特に、病院連絡会においては、各病院に対して、2025年に向けて検討している診療機能や今後の医師確保の見通しに関する説明が求められております。
 最後になりますが、医療を取り巻く環境は、今後、ますます厳しくなっていくことが予想されますが、地域医療における地区医師会の役割は非常に重要です。地域医療構想の推進と地域包括ケアの深化・推進に向けて、執行部一同会務に励んでまいりますので、会員諸兄の更なるご支援とご指導を賜りますよう心よりお願い申し上げ、新年のごあいさつとさせていただきます。