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医師・医療関係者のみなさまへ

小児救急医療研修会

府医ニュース

2019年12月4日 第2912号

小児科診療の要点を解説

 大阪府医師会は10月31日午後、令和元年度第1回小児救急医療研修会を大阪府医師協同組合で開催(後援:大阪小児科医会)。本研修会は夜間・休日急病診療所における小児科診療体制の向上を目的として、急病診療所へ出務している医師のほか、今後の出務を予定している医師・医療従事者を対象に実施。約100人が参加した。
 開会あいさつで前川たかし理事は、夜間・休日急病診療所は小児科診療の需要が高く、他科領域の医師にも多大な協力を受けていると言及。出務した際には本研修会の内容を診療に生かしてほしいと期待を寄せた。続いてあいさつした松下享・大阪小児科医会長は、少子化は進んでいるが小児救急の件数は減っていないと前置き。「育児不安は以前より高まっているのではないか」との見解を示し、親の気持ちに寄り添った医療を心がけてほしいと述べた。
 引き続き、久保馨氏(府医救急・災害医療部小児救急医療検討委員会委員長)が座長を務め、大笹幸伸氏(大阪市救急医療事業団中央急病診療所長)が「小児救急の現状」「小児初期救急の要点」と題して講演を行った。大笹氏は中央急病診療所における受診患者の実情を報告。重症患者は少ないとしながらも、「緊急度に応じた診察順の決定が必要」とトリアージの重要性を強調した。更に、小児科診療で重要な疾患を見落とさないポイントを症状別に詳説。後送すべき病態として、▽41度以上または生後3カ月未満の発熱▽喘息重積▽腸重積または虫垂炎の疑い▽止まらない熱性けいれん▽無熱性けいれん▽児童虐待の疑い――を挙げたほか、親の「いつもと違う」という感覚は大切にしてほしいと結んだ。