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医師・医療関係者のみなさまへ

第3回枚岡在宅医療フォーラム

府医ニュース

2019年11月27日 第2911号

在宅医療の未来像を描く

 第3回枚岡在宅医療フォーラムを10月9日午後、東大阪市立市民ふれあいホールで開催した。今回は〝在宅の現場の声を聞き、人につながるアプローチの方法を学び、在宅の未来像を各々が描き、必要な役割を分担すること〟をテーマに、医療・介護事業関係者や地域住民ら約200人が参加した。
 開会あいさつで五島淳・枚岡医師会長は、本催しが枚岡在宅緩和ケア研究会とともに、在宅医療への理解を深める一助となることに期待を寄せた。
 第1部では塩田浩太郎氏(パラマウントベッド株式会社)が体圧分布測定システムを使い、「褥瘡予防のためのポジショニング」と「圧力分布」をリアルタイムに2つのスクリーンに映される映像で示しながら除圧の大切さを説いた。第2部では、東大阪市校区福祉委員会連合会副委員長の原彦保氏が同委員会活動を通して、地域が抱える課題と問題点を説明。加えて、「医師会は強いリーダーシップを発揮して地域医療を牽引してほしい」とされた。第3部では木内邦明氏(東大阪医療センター精神科部長)が、「高齢者のこころの理解と対応」と題して特別講演。▽高齢者の方には寄り添いながらも敬意を失わない接し方が必要▽高齢者の心の病を引き起こす「高齢であるがゆえの喪失体験」を埋めるには工夫が必要――と解説した。
 様々な職種が在宅医療へのアプローチを試みているが、なおも地域が抱える課題と問題点を解決するには至っていない。原氏が述べた「もっと前に出てください」の言葉が心に突き刺さった。それぞれの職種が自らの弱点を知り、学び、お互いの弱点を補完し合うことで更に連携が進むと思われた。
 枚岡医師会は更なるリーダーシップを発揮して多職種の方々との連携を深め、在宅医療を必要としている方々に安心と信頼を届けていきたい。
記事・写真提供
 枚岡医師会副会長
森 重人