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医師・医療関係者のみなさまへ

府医創立72周年記念式典・祝賀会

府医ニュース

2019年11月27日 第2911号

国民皆保険制度を守る

 大阪府医師会は11月3日午前、大阪市内のホテルで創立72周年記念式典および祝賀会を挙行。郡市区等医師会役員や功労会員ら約130人が出席した。
 司会を務めた栗山隆信理事の進行の下、中尾正俊副会長より開式の辞が述べられ、茂松茂人会長があいさつ。まず、9月および10月に大型で勢力の強い台風が我が国を襲い、大きな被害が発生したことに言及。被害に遭われた方々にお見舞いの言葉を寄せるとともに、1日も早い復興に期待を寄せた。
 

医療提供団体がワンチームに

続いて、少子高齢化が進展する中、国民の負担が増加する一方で給付が減らされる現状を憂慮。新たに設置された全世代型社会保障検討会議においても経済中心で議論が進められていると指摘し、国民が不安を感じないよう医師会が主張していかねばならないとした。更に、国民の健康寿命を延伸するには「治すだけでなく、予防や健診にも力を入れる必要がある」と明言。最後に、ラグビーワールドカップでの日本チームの活躍になぞらえ、医療提供団体が「ワンチーム」となって国民皆保険制度を守っていかねばならないと訴えかけた。

功労会員等を表彰

 引き続き、令和元年度医学教育功労者・保健文化賞受賞記念大阪府医師会長賞・日本医師会最高優功賞受賞記念大阪府医師会長賞の表彰が行われた。また、功労会員として白寿会員9名、米寿会員65名、長期在任の本会役員・代議員・各種委員会委員などに感謝状が贈呈されたほか、永年勤続府医職員が表彰された。
 閉式にあたり高井康之副会長が、厳しい医療情勢の中、府医執行部が一丸となって会務に取り組むとし、より一層の支援・協力を求めた。

記念祝賀会

 祝賀会では、自見はなこ参議院議員が祝辞を披露。9月に厚生労働大臣政務官に就任したことを報告した後、社会保障が重大な局面を迎えていると危機感を表明。10月に実施された消費税増税などに触れながら、負担と給付について踏み込んだ議論が必要になるとし、次世代へ社会保障制度を引き継ぐために研鑚を積んでいきたいと決意を語った。

和やかに旧交を温める ―健老会―

 正午からは矢野隆子理事の司会により健老会を開催し、同伴者を含む約260名が出席。和やかなムードの中、旧交を温めた。
 開会にあたり茂松会長が、高齢者や障害のある方が安全・安心に過ごせる体制を作っていきたいと抱負を述べた。
 続いて、本年春と秋の叙勲受章者が紹介され、森口久子理事より花束を贈呈。また、健老会出席者で最高齢の福田弘氏(豊中市)にも花束が贈呈され、大きな拍手に包まれた。

健老会

 大阪府医師会の発展は先人の努力との観点から、満70歳以上の会員を敬うため、昭和25年に「敬老会」として発足。55年には現在の「健老会」に名称を変更し、今日まで開催を続けている。11月3日時点での健老会員は3318人。

表彰者・団体の紹介
〇医学教育功労者
 東田有智氏(近畿大学医学部内科学教室呼吸器・アレルギー内科部門主任教授/近畿大学病院病院長〈近畿大学病院統括〉、近畿大学医師会長)

 昭和55年4月、近畿大学医学部を卒業。同附属病院での臨床研修を経て、平成3年から米国Mayo Clinic免疫学教室に留学。7年より近畿大学医学部第4内科講師、14年4月より同大学医学部内科学教室呼吸器・アレルギー内科部門教授に就任。28年10月より近畿大学病院病院長(近畿大学病院統括)に就任し現在に至る。
 研究分野では主に呼吸器病学およびアレルギー病学を中心に基礎および臨床研究で成果を挙げる。
 学会活動では日本呼吸器学会常務理事、日本気管食道科学会常任理事などを歴任し、現在でも米国胸部疾患学会、欧州呼吸器学会の会員として活躍。社会活動としては、日本アレルギー協会理事および関西支部長として、アレルギー疾患の啓発に尽力。更に、厚生労働省のアレルギー疾患対策推進協議会会長としてアレルギー疾患の診断・治療の均てん化等に努めている。

〇保健文化賞受賞記念大阪府医師会長賞
 大阪府臨床麻酔科医会(松田真弥会長)

 昭和57年、大阪で開業している麻酔科医が中心となり立ち上げた親睦団体「麻酔科開業医の会」が起源。昭和58年に府医の12番目の専門医会として認定を受け、今日に至る。
 総会を含め年に2回の学術講演会を実施しており、会員の教育や研修の目的で、トピックスから臨床に役立つ分野など幅広い講演内容を吟味し、日々の診療業務に対する向上と充実を図り、会員同士の意見交換の場として提供し続けている。

〇日本医師会最高優功賞受賞記念大阪府医師会長賞
 東大阪市公衆衛生協力会(津森孝生会長)

 公衆衛生の向上を図り、健康で明るい生活環境づくりを推進し、文化的な市民生活の建設に寄与することを目的として、平成14年4月に設立。東大阪市内の三医師会(布施医師会、河内医師会、枚岡医師会)が中心となり、歯科医師会、薬剤師会、獣医師会、飲食店等の食品衛生関係団体、美容理容の環境衛生関係団体で構成する中で、保健、医療団体の他、幅広く公衆衛生に関係する組織と連携・協働の下、市民啓発活動を行い、保健所の事業活動に対しても支援協力を積極的に行っている。