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医師・医療関係者のみなさまへ

ロコモ市民公開講座「骨と関節の日」

府医ニュース

2019年10月30日 第2908号

運動器の大切さを伝える

 大阪臨床整形外科医会(増田博会長)は10月5日午後、堺市内で「ロコモ市民公開講座『骨と関節の日』」を開催した。このイベントは、例年、「骨と関節の日」の周辺に開かれており、運動器の大切さを呼びかけている。当日は講演や健康体操が行われ、近隣住民ら約250人が参加した。また、開会前には「ロコモ度テスト」が実施され、同医会員の指導の下、多くの来場者が体験した。
 開会あいさつで増田会長は、10月8日の骨と関節の日の由来について、「カタカナのホの字が、十と八に分けることができるため」と説明。骨や関節の大切さを意識する機会にしてほしいと述べた。また、高齢化が進む我が国では、健康寿命を延ばすことが大きな課題とし、要介護のリスクである運動器症候群(ロコモティブシンドローム)の予防に努めることが重要と強調。本講座がその一助になればと期待を込めた。
 続いて、大成浩征氏(同医会理事)より、「ロコモって何?――健康寿命と運動器症候群について」と題する講演が行われた。大成氏は、超高齢社会では、「QOL(生活の質)の向上が問題になる」と指摘。健康寿命の延伸に主眼を置いた様々な施策が推進されているとした。その上で、ロコモの定義を詳しく説明。要支援・要介護となるリスクが高くなっている状態であり、「ロコモの段階で治療することが大事」と力を込めた。また、筋力強化の重要性を説き、スクワットや片脚立ちなどのトレーニングを推奨。動画を視聴しながら、ポイントを解説した。
 次いで、仲宗根涼子氏(NPO法人1億人元気運動協会理事)が「チェアエクササイズ」として、座ったまま行える体操を実演。また、木村明子氏(雪印ビーンスターク株式会社管理栄養士)は、「強い骨でいつまでもハツラツと」と題して講演し、「バランスの取れた食事を心がけ、カルシウムを効率よく体内に取り込むことが大切」と加えた。