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医師・医療関係者のみなさまへ

旭区シニアの健康講座

府医ニュース

2019年10月30日 第2908号

笑いと運動で生きがいづくり

 旭区医師会(守上賢策会長)は9月20日午後、同区民センターで「旭区シニアの健康講座」を開催し、246人が訪れた。今回は区民、医療・介護従事者を対象に、「笑いと生きがいが、人生を輝かせる! 笑って健康、動いて健康」をテーマに実施。介護エンターテイナーを自称する石田竜生氏が講演や体操を行った。
 谷口一則・同区医師会理事が司会を務め、はじめに守上会長があいさつ。平均寿命とともに健康寿命を引き上げることが肝心であり、笑いや運動の要素を盛り込んだ本講座が、その一助になればと期待を寄せた。
 続いて谷口理事が話題を提供。時代とともに体力や平均寿命は変遷しており、「若さ」も同様だと指摘。生活習慣を改善することが若さを保つことにつながるとした。更に、笑いや運動には免疫力アップや認知機能の向上が期待されており、そうした習慣も意識して続けることが大切と呼びかけた。
 次いで、作業療法士・ケアマネジャーとして介護施設に勤務する傍ら、芸人としても活動している石田氏が、老婆をイメージした「かつら」をかぶって登場した。石田氏によると、このかつらは「高齢者との親近感を深めるためのツール」とのこと。多くの笑顔を引き出し、生きがいづくりを手伝いたいと語った。この日は、講演のほか、座ったままできる簡単な体操や2つのことを同時に行う「ながら運動」も実施。いずれも会場とのかけあいを交えて行われ、終始笑顔と笑い声があふれた。
 講演の中で石田氏は、老化による心身の変化からの自信喪失によって「閉じこもり状態」になることを懸念。他者との関係性が希薄になることで、肉体的な衰えも顕著になるとし、「負のスパイラルを断ち切ることが大事」と力を込めた。そして、自身が楽しむことに加え、「最近顔を見ていない」と思い当たる人がいれば、積極的に会いに行き「元気にしてあげてほしい」と結んだ。