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医師・医療関係者のみなさまへ

茨木市健康フェスタ・市民フォーラム

府医ニュース

2019年10月30日 第2908号

救急医療の重要性を伝える

 茨木市医師会(上野豊会長)および同市歯科医師会・薬剤師会の主催による健康フェスタ2019が9月29日、同市内で開催された。健康相談や小児ワクチン相談をはじめとする各種コーナーには開場とともに多くの市民が詰めかけた。腹腔鏡手術トレーナーを用いた外科医体験では、医師による丁寧な指導の下、小中学生が熱心に取り組み、会場は熱気に溢れた。
 また、健康フェスタに合わせて同会場で、茨木市医師会・茨木市共催による第20回市民フォーラムが「新世紀の救急医療――知って得する救急知識」をテーマに開催された。開会にあたり上野会長が、地震や台風などの自然災害が続発する中での救急医療の重要性を指摘。平時における救急車による救急出動にも言及した上で、救急医療について再確認する機会にしてほしいと語りかけた。次いで、福岡洋一・同市長があいさつ。昨年発生した大阪府北部地震における救急医療活動に触れた上で、救急医療は老若男女を問わず大切なものであると訴えかけた。
 続いて、中島周三・同市医師会理事を座長として、中村仁氏(同市消防本部救急救助課長)が「超高齢社会を迎えて、これからの救急について」と題して講演。救急車の出動件数の増加率などを示しながら、救急車の適正利用を呼びかけた。
 次に、西部俊三・同市医師会副会長を座長として、小畑仁司氏(大阪府三島救命救急センター所長)が「あなたの勇気が命を救う。ここまで進んだ救急蘇生」と題して特別講演を行った。小畑氏は、①心停止の予防②早期認識と通報③一次救命処置(心肺蘇生とAED)④二次救命処置と心拍再開後の集中治療――の「救命の連鎖」について解説。なかでも、市民による一次救命処置の重要性を強調し、医師や看護師などの限られた人だけでなく、すべての人が、いざという時に必要な知識と技術を習得しておくことが望まれると、集まった市民に理解を求めた。