TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ

新生児蘇生の初期対応を学ぶ

府医ニュース

2019年10月16日 第2907号

第2回新生児の蘇生講習会

 大阪府医師会は、9月21日午後、令和元年度第2回新生児の蘇生講習会を府医会館で開催。会員・会員医療機関に所属する看護師、助産師ら23人が参加し、新生児の初期対応を習得すべく、講義と実技を交えた講習に取り組んだ。
 開会にあたり、笠原幹司理事があいさつ。大阪の周産期医療体制は高い水準にあるとした上で、本講習会が更なる体制充実の一助になるよう期待を寄せた。また、緊急時に適切な対応ができるように、講習を繰り返し受講し、新生児蘇生法の理論と技術を習熟しておくことが大事であるとした。
 続いて、大橋敦氏(関西医科大学附属病院准教授)が登壇。NCPR(新生児蘇生法)テキストを用いて講義を行った。大橋氏は、新生児蘇生における重要な点として、肺液を空気で置換し、換気することを指摘。人工呼吸により新生児仮死の90%は蘇生できることを強調した。また、新生児蘇生法アルゴリズム(NCPR2015)を紹介し、分娩室内に設置するよう助言。アルゴリズムを通じて、分娩に携わるスタッフが、新生児の初期対応に関する共通の認識・理解を常に持つことが大切であるとの考えを示した。そのほか、▽蘇生の初期処置▽初期処置後の評価▽蘇生バッグの構造と特徴▽蘇生後のケア――などについてポイントや留意点を踏まえて詳細に解説した。講義終了後、受講者を5つのグループに分け、蘇生訓練用の人形を用いた実技講習を実施。各班のインストラクターによる指導の下、実際の現場を想定した訓練を行い、新生児の初期対応を学んだ。
 なお、令和元年度における本講習会の開催は今回で2度目。今年度は計4回の開催を予定しており、第3・4回は第1・2回の内容を復習するスキルアップコースの実施を予定している。