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医師・医療関係者のみなさまへ

将棋部だより

9月例会の成績
珍局誕生

府医ニュース

2019年10月2日 第2906号

 9月15日に今年5回目の例会を、大阪市中央区谷町の大阪府社会福祉会館で開催した。真夏のように暑い日だった。
 昭和58年に日本医学会総会が大阪で開催された際に、交歓行事として将棋大会が行われた。審判長をお願いしたプロの木村義徳八段は、「勝っても負けても、たかが将棋だと思いなさい。そう思えば無心になれる。伸び伸び指せます」とおっしゃった。修行とはいえ、深刻に悩むな、と教えられた。そんなことを思い出しながら対局した。
 参加者は9人だった。最終盤で両者ともに大悪手を指してしまい、局後に苦笑することがあった。
 大いに驚いたのは、伊藤五段(野崎徳洲会病院/大東市)の4局目だった。守備駒である2枚の金と1枚の銀を、開始時の位置から全く動かさないで、王将だけを単騎上部に進出させた。川中島の合戦での上杉謙信のようだった。このような常軌を逸した戦い方は、超初心者でもしない。ましてや成功したのを見たことがなかったのであるが、伊藤五段の王将は、敵陣の最深部にまでまんまと侵入して快勝した。稀有な珍局だった。
 優勝したのは、4戦全勝した準会員五段だった。3勝1敗者は2人いて、規定により伊藤五段が2位で、手島七段(和泉市)が3位になった。他の参加者は、松村六段(池田病院/東大阪市)、東森五段(平野区)、濱田五段(東住吉区)、山中五段(福島区)、柿原三段(堺市)、準会員七段だった。
 精神分析療法を創始したフロイトは、「心の健康を保つ秘訣は、働くことと愛することだ」と述べた。我々はこの見解に、将棋を指すことを加えたい。対局を通じて語り合うことが、喜びとなり心の糧になるからである。

新入部員募集

 入部をお望みの方は、いずみがおかメンタルクリニック(電話0725―56―2727)の手島までご連絡下さい。

報告
手島愛雄(和泉市)