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医師・医療関係者のみなさまへ

東大阪市民健康シンポジウム

府医ニュース

2019年9月25日 第2905号

「講演」「笑い」で健康づくり

 河内医師会(津森孝生会長)主催、布施医師会・枚岡医師会共催による「東大阪市民健康シンポジウム」が9月7日午後、同月1日にオープンしたばかりの東大阪市文化創造館で開催され、定員を超える326人が参加した。今回はテーマを「在宅での不眠と尿のトラブル――おしっこの悩みと眠れないあなたに」とし、3題の講演とタレントの島田洋七氏による特別講演が行われた。
 冒頭、津森・河内医師会長があいさつ。不眠や夜間頻尿は加齢に伴う変化であるが、大きな疾患が潜んでいる可能性もあり、「気になることがあれば、かかりつけ医に相談してほしい」と注意を促した。続いて、野田義和・東大阪市長が登壇。適切な医療連携が市民の健康の支えとする一方で、「患者も医療のかかり方を意識すべき」と指摘。まずは、かかりつけ医を持ち、自身でも健康に配慮してほしいと述べた。
 引き続き、小野豊氏(市立東大阪医療センター泌尿器科部長)が、「夜間頻尿の原因と治療」と題して講演。夜間頻尿の原因として、▽多尿▽膀胱蓄尿障害▽睡眠障害――を挙げ、それぞれを説明した。一方、治療しても劇的に回復するとは言いにくく、「生活習慣を見直すことが最も大切」と強調。早歩きでの散歩などを勧め、「夜間頻尿を改善し、若々しい体を維持してほしい」と結んだ。
 次いで、林英宰氏(河内総合病院心臓血管センター副院長)が、「心臓病と尿の大事な関係」として、食塩感受性高血圧に起因する夜間多尿に言及。同疾患は日本人に多く、摂取過多となったナトリウムを排出するために血圧上昇および尿量増加を招くと説明。塩分摂取を減らすとともに、少量のサイアザイド系利尿薬が有用との見解を示した。
 最後に山口恵子氏(河内医師会訪問看護ステーション管理者)が「不眠と尿のトラブルに訪問看護師からのアドバイス」と題して、相談が多いという夜間頻尿への対応を助言。生活リズムや環境の改善で夜間の排尿回数が減ることも多いとし、骨盤底筋トレーニングなどを実演した。
 特別講演では島田氏が、著書『佐賀のがばいばあちゃん』や芸人仲間のエピソードにも触れながら、「笑い」を披露。様々な話題を織り交ぜ、「大いに笑って人生を過ごしたい」と語った。島田氏の軽快な口調に、会場には終始笑顔があふれていた。