TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ

拡大鏡

府医ニュース

2019年9月25日 第2905号

 ◆今回の内閣改造では若き新環境相の誕生が話題となった。早速、福島へ出向き、中間貯蔵施設の整備と除染の加速化を語った。
 ◆福島第一原発事故直後、放射線医学総合研究所から「放射線被ばくの早見図」が公開された。放射線の人体への影響を分かりやすく示すが、放射線医療機器と比較するもので、医療被ばくへの関心を高めることにもなった。
 ◆実は、日本は世界の中で医療被ばく線量が最も高い。特にCT装置数、検査件数が世界最多で、国民皆保険制度のもと容易に検査が受けられる環境が要因とされる。これまではメリットを優先した正当化により、医療被ばくには線量限度は適用されていない。しかし、発がんの潜在的リスクや放射線感受性の高い小児への影響を考慮し、医療被ばくの低減、線量の最適化が課題となった。
 ◆厚生労働省は医療法施行規則改正案で、患者の医療被ばくの線量記録を義務化し、来年4月に施行する方針をまとめている。医療の放射線利用に、正当化と最適化のバランス意識が求められることになる。(誠)