TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ

調査委員会だより No.59

府医ニュース

2019年9月4日 第2903号

病床数は増やすべき?減らすべき? 会員調査より 文 島田 永和(羽曳野市)

 大阪府医師会員に対する病床利用に関する調査で、若い医師達が他の年代の医師達とは異なる反応を示していることを前回(本紙第2900号)ご報告しました。今回は、今後の近隣の病院病床数に関する意見をお示しして、年代別の結果から、考察をしてみたいと思います。全体では「増やすべき」との回答が19.4%ですが、若い世代では25.7%とやや高い傾向にあります。
 現場の若い医師は、入退院について、なかなか希望通りに進まず、苦労している現実があり、それを反映して病床数については、増やすべきという意見が他の年代より多くなっているのではないかと推察されます。つまり、担当した患者の退院に際し、先輩医師諸氏のように医師同士のネットワークが十分形成されていないことから、転院先などの対応に苦慮しているのではないかと思われるのです。
 それにしても、今後の病床数を減らすべきという意見はどの年代においても1割以下の少数意見であり、先の府民調査とともに、現場の医師達の感覚でも病床数を削減するということになれば、診療に支障を来す可能性を示唆しているものと解釈されます。
 これを、立場が異なるとどうなるでしょうか?「増やすべき」あるいは「今のままで良い」と答えた診療所長、病院長は実に75%以上であり、勤務医においては「わからない」が他2者と比べ多いものの「減らすべき」と答えた人が多いわけではありませんでした。