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医師・医療関係者のみなさまへ

第139回エイジレス健康講座

府医ニュース

2019年8月28日 第2902号

よく笑い、運動 健康生活を充実させて

 大阪府医師会・ATCエイジレスセンター実行委員会が主催するエイジレス健康講座が7月20日午後、同センターで開かれ、府民ら約60人が参加した。第139回となる今回は、矢野隆子理事が「健康寿命を延ばす秘訣」をテーマに、生活習慣・運動・食事などをアドバイス。後半はインナーマッスルの鍛錬が効果的として、体操指導を行った。

 はじめに、健康寿命には地域格差があり、「大阪府はワーストに近い」と説明。長寿社会の中で、どのように健康づくりに取り組むかが課題とした。次いで、ACP(人生会議)の概念を説明し、元気なうちから「どういう生き方をしたいのか」を話し合ってほしいと促した。
 引き続き、健康寿命延伸に関する具体的な助言として、高齢者はタンパク質を積極的に摂取する食事を心がけ、「筋量を低下させないことが大切」と指摘。また、口腔内の清潔を保ち「歯の健康」を維持することで糖尿病の改善、認知症の予防にもつながるとし、適切な歯磨き習慣や起床時のうがいを推奨した。更に、男性は「社会的つながり」、女性は「貯筋」を大事にしてほしいと強調。認知機能の低下を防ぐため「積極的に口を動かす」、筋肉量を増やすため「体を動かす」ことを意識してほしいと語った。
 そのほか、睡眠は大切であるが、「無理に長時間眠る必要はない」と前置きし、不眠症状があればまずは睡眠環境を見直すことが有効とした。あわせて、特定健診や世代を超えたコミュニケーションの重要性を伝えるとともに、適度の塩分摂取やサプリメントに依存しない食生活など、健康生活に役立つ「ヒント」を示した。
 最後に、転倒骨折からの寝たきり予防に向け、下肢の筋力やインナーマッスルの増強に効果的な体操やストレッチを実演。運動を継続し、「よく笑って」健康を満喫してほしいと締めくくった。