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府医ニュース

2019年8月21日 第2901号

 ◆夏の全国高校野球選手権が始まった。郷土の誇りをかけての熱戦。一方、過密日程と勝利第一主義による選手の故障が問題となる。
 ◆岩手大会決勝で、注目の投手が登板しなかった。前日、100球以上投球しており、監督は「プレッシャーの中、疲労度が高く、故障を未然に防ぐため」と。はやる選手を制しての決断に、多くの関係者からは「青年の将来に順当な判断」との声が寄せられている。
 ◆一方、「できるところまでやらせるのが高校野球」と断言する強豪校の元監督には驚く。勝利第一主義を声高に言い放った元プロ野球選手は論外。重鎮と称する人達の前時代的思考は、大問題である。専門医の積極的な発言で、指導者の適正な判断を支えたい。
 ◆小筆が大学生の時に、サッカーで膝内側側副靭帯損傷を負った。受診した先輩医師は「サッカーを続けたいなら、大変だろうがギプス固定だ」と。素直に「はい」と。以来数十年、今でも故障なくサッカーを楽しめている。先輩医師への感謝と医師の責務を実感できている。(翔)