TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ

調査委員会だより No.58

府医ニュース

2019年8月7日 第2900号

入退院に関する会員調査より 文 島田 永和(羽曳野市)

 前回の報告(本紙第2894号)では、国の地域医療計画や地域医療構想で進められている病床数の適正化の路線に対して、府民は病床そのものが不足していると回答するものが多く、両者の間に乖離があること、そして、そのためには行政から説明を尽くさなければ、現場で不満を訴える事例が増し、診療に影響を与えることが危惧されると述べました。
 続いての調査結果は、医師会員を対象にしたものです。病床利用の実態を知るために、この数年間での入院や転院の依頼が断られた経験を問うています。その結果、全体で3割の医師が10回のうち2、3回以上断られたことがあるとしています。
 断られた体験は若い医師に多く、2、3回以上あると約4割が回答し、その割合は年代が上がるにつれて、下がっています。
 次に直近1~2年での患者の入院、転院についての変化を問うています。全体では断られることが少なくなったと3分の1程度が回答しています。しかしながらその一方で、39歳までの若い医師ではその率が18.9%と他に比べて低く、転院先に困っている場合がやや多いと解釈できます。
 このような結果について、病床数が影響を与えているのではないかと思われるので、次回以降お示ししていきたいと思います。