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医師の働き方改革の推進に関する検討会

府医ニュース

2019年8月7日 第2900号

医事法制上の措置などを検討

 7月5日、「医師の働き方改革に関する検討会」報告書に記載された、引き続き検討を要する事項について協議する「医師の働き方改革の推進に関する検討会」の第1回会合が開催された。今回、立ち上げられた検討会では、医師の時間外労働の上限規制に関して医事法制・医療政策における措置を要する事項、医師の時間外労働の実態把握における事項が検討事項とされている。
 医師の時間外労働の実態などを把握するための調査も実施する方針である。実態調査は、9月2日から8日までの1週間で全国1万9112施設の医師14万1880人を対象とし、主たる勤務先、それ以外の勤務先での診療業務、診療外業務、宿直・日直、宅直・オンコール、睡眠などに充てた時間数などを把握する内容。施設調査では、医師の時間外労働に関する36協定締結の有無、医師の労働時間の把握方法、医師以外のコメディカルとの業務分担の取り組み状況などを調べる。
 先の「医師の働き方改革に関する検討会」の報告書では、医師の時間外労働の上限をA水準(原則)、B水準(特例)、C水準(研修医等)ごとに設定され、加えて医師の健康確保の面から勤務間インターバルの確保や連続勤務時間制限などの追加的健康確保措置が努力義務、または義務として医療機関に対して課された。更にこれらの措置の実効性を確保するための医事法制・医療政策上の措置の検討が引き続き必要とされていた。具体的にはB・C水準の対象医療機関を都道府県が指定、認定等の行政行為により特定するスキーム(要件および実務フロー)をどのように構成するか。特に、特定に当たって、医師労働時間短縮計画、評価機能をどのように関連付けるか。C―2水準については、審査組織をどのように構成するか。追加的健康確保措置の義務化・履行確保スキームについて、どのように構成するか。履行確保については、①日常的な管理、②定期的な確認、③未実施時の是正、④B・C水準適用対象の特定との関係等の観点から検討する必要があるとしている。面接指導については、労働安全衛生法で義務付けられている面接指導としても位置付ける方向で検討するが、本検討会では医事法制の観点からの検討を行う。
 医師労働時間短縮計画と、医師の長時間労働の実態や時間外労働短縮の取り組み状況などの分析を行う評価機能の役割、担い手などが検討項目に挙がっている。今後、検討会で5年後に向けた医事法制上の措置の在り方について検討・報告される。各医療機関は、労務管理の見直し、必要な人員確保など、適宜対応を求められることから検討会の動向に注視する必要がある。