TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ

三島ブロック薬剤師会セミナー

府医ニュース

2019年7月17日 第2898号

医療界の一致団結を

 6月29日夕刻、吹田市内のホテルで開催された三島ブロック(茨木市・高槻市・摂津市)薬剤師会セミナーに茂松茂人・大阪府医師会長が出向いて講演。約70人の参加者に対して最近の医療を取り巻く厳しい情勢について解説するとともに、医療界が一致団結してこの難局に立ち向かうよう呼びかけた。
 石田行司・摂津市薬剤師会長による開会に続き、まず、「薬剤師の取り組み事例」について2題の講演が行われた。
 最初に、ニューロン薬局香露園店の日向晶子氏が「健康サポート薬局としての取り組み」と題して講演。かかりつけ薬剤師としての取り組み、残薬管理への工夫、患者向け勉強会・イベントなどについて報告・説明を行った。
 次に茨木市薬剤師会長の望月道彦氏が「茨木市薬剤師会が行っている国保関連事業について」と題して講演。糖尿病性腎症重症化予防事業や、かかりつけ薬局における特定健診受診勧奨事業への取り組みなどについて解説した。
 続いて、茂松会長が「最近の医療情勢――医療業界の現状と今後の動向 薬剤師に期待すること」と題して講演。日本の医療の特徴や、人口構造の変化などに伴う医療業界の今後の動向などについて解説した後、6月下旬にまとめられた「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2019」に言及。一般用医薬品の普及などによるセルフメディケーションの推進が挙げられていることについて、重篤な症状が隠れている可能性があるとし、その危険性を指摘した。その他、オンライン服薬指導などについて触れた上で、医療をサービス業として扱う現在の流れを問題視。こうした難局に対し、医師・薬剤師をはじめ医療界が一致団結して臨まねばならないと指摘した。更に、国民とも情報を共有し、医療関係者と国民がともに動かねばならないと強調。日頃から患者とコミュニケーションを十分に取り、信頼を得ることの重要性を訴えかけた。