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大阪府内科医会 第14回定例総会・記念講演会

府医ニュース

2019年7月17日 第2898号

認知症・心不全に関する講演を実施

 大阪府内科医会(福田正博会長)は6月22日午後、大阪市内のホテルで定例総会および記念講演会を開催し、約340人が参加。講演会では茂松茂人・大阪府医師会長が来賓として祝辞を述べた。
 総会では、議案が協議され、平成30年度事業を外山学・同医会副会長、同年度決算を泉岡利於・同副会長が説明。決算項目では光井英昭・同監事より監査結果が適正であった旨の報告があり、いずれも挙手多数で承認された。次に、樋口奨励賞表彰が行われ、福田会長から表彰状が手交された。
 続いて、講演会の開会あいさつで福田会長が日本臨床内科医会の動向を報告。また、大阪府内科医会では来年2月に市民公開講座の開催を予定しているとし、「100歳時代をどう生きるか」をテーマに企画していると紹介した。次いで、茂松・府医会長が登壇し、最近の医療を取り巻く状況に言及。若者の人口減少が加速する中で、社会保障の給付と負担について議論していく必要があるとした。また、府医では、国民のための医療提供体制の整備に全力で取り組むとし、一層の支援・協力を求めた。
 その後、松本一生氏(松本診療所ものわすれクリニック理事長・院長)が「28年間の認知症外来から内科医に伝えたい診療のポイント」と題して講演。認知症の受診者は、以前に比べMCI(軽度認知障害)や初期の方が増加していると説明した。また、早期発見・早期治療に加え、当事者の心のケアや家族への支援も地域の「かかりつけ医」に求められる役割であると解説。その際には、「専門医との連携」「医介連携」が重要とし、「専門医とどのように関わっていくかが内科医にとって大きな課題である」と締めくくった。
 続いて、平山篤志氏(大阪警察病院循環器内科特別顧問)が「SGLT―2阻害薬はスタチンを超えるか?」をテーマに講演した。まず日本人の死因の推移に関する資料を示し、高齢化に伴い、心不全による死亡が急激に増加したと説明。心不全は、発症すると進行する疾患であり、最終的には死に至ると述べ、「予防には初期の段階からの介入が必要」とした。また、心不全の最大のリスクとして糖尿病を挙げ、新たに発表されたSGLT―2阻害薬の効果に期待したいと述べた。