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府医ニュース

2019年7月17日 第2898号

 ◆世界の海へ、1年間に8百万㌧ものプラスチックが流出している。6千㍍以上の深海にさえ、プラスチックゴミがある。有害なマイクロプラスチックが、食物連鎖の末に、人体に蓄積されることへの危惧が高まっている。
 ◆脱プラスチックに自然素材を使いこなす技術が有望だ。溶かした紙を型に入れ、成形したうえ、和紙で仕上げ。紙と米のりを使った、昔ながらのダルマの製法。プラスチック製よりも、格段に軽いことが喜ばれている。
 ◆木製品などの漆加工は、耐久性を高めるうえ、最後は自然に戻る。細かな金属加工で作るアルミ製ストローは、ヒット商品に成長している。これらの伝統技術を受け継ぐ地場産業に、光が当たることも有意義であろう。
 ◆半世紀前、紙やガラス、金属といった自然素材での医療器材が主で、洗浄・滅菌しての再利用も普通であった、現在では、使い捨てのプラスチック製器材があふれている。脱プラスチックの潮流は避けられない。自然素材の活用は、医療でも必要であろう。将来の地球を思えば。(翔)