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府医ニュース

2019年7月3日 第2897号

◆働き方改革関連法成立を受け、「産業医・産業保健機能」と「長時間労働者に対する面接指導等」が強化された。
◆しかし「ストレスチェック制度」あたりから矢継ぎ早に出される法案や新しい用語が、どうにも吟味不足であり、「治療と職業生活の両立支援」に至っては正直、生煮えのように感じられた。
◆まず「時間外労働の上限規制導入」では、過労死ラインの80時間超えの「単月労働100時間未満」という矛盾を抱え、高度プロフェッショナル制度の導入では、労働時間と賃金のリンクを絶つことで、労基法により保護されるべき労働者の立場を、その保護外に追いやってしまった。
◆産業医の「独立性・中立性」とは何か?事業者と労働者の中間的な立ち位置ではあり得ない。むしろ産業医として信頼を得られれば、よい意味で事業者との距離が近づくだろうし、CHO構想はその理想形とも言える。
◆産業医に求められるのは「独立性・中立性」というより「公正性」ではないか。そして、その論拠は「産業医学」である。(猫)