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医師・医療関係者のみなさまへ

北区医師会「みんなで学ぶ健康法」

府医ニュース

2019年6月26日 第2896号

感染症のトピックスを学ぶ

 北区医師会在宅医療推進委員会は6月8日午後、北区民センターで「第20回みんなで学ぶ健康法」を開催。今回は、「感染症の最近の話題について、抗生物質の正しい飲み方使い方」をテーマに、354人が聴講した。
 開会にあたり、田淵義勝・同区医師会長があいさつ。「飲めば効く」と思われがちな抗生物質について、正しい用法を学んでほしいと述べた。また、麻しん・風しんを話題に挙げ、本催しが区民の感染症に対する健康意識を高める一助になればと語った。次に、上野信子・同区長があいさつで、健康寿命の延伸に向けた大阪市の取り組みなどに言及した。
 引き続き、太田祥彦・同区医師会専務理事を座長に、安井良則氏(大阪府済生会中津病院感染管理室長)が「現在流行している感染症のトピックスについて」として、麻しん・風しんの症状を概説し、患者数の推移を報告した。麻しんに関しては、大阪は「医療従事者を含めてワクチン接種率が低い」と指摘。また、風しんの抗体保有率が特に低い、現在39~56歳の男性に対して行われている追加的対策を説明。両疾患はワクチン接種で予防可能な感染症であると繰り返した。
 次に、大畑茂子氏(風疹をなくそうの会「hand in hand」役員)が、「風疹の恐ろしさを伝えたくて――妊娠初期に風疹にかかってしまった当事者として」と題して登壇。妊娠中に風しんを罹患した経験を語り、風しん根絶へ向けた活動を紹介した。
 その後、安井氏を座長に、具芳明氏(国立国際医療研究センター病院AMR臨床リファレンスセンター情報・教育支援室長)が「感染症から未来を守る――今求められる薬剤耐性(AMR)対策」と題して講演を行った。具氏はまず、細菌とウイルスが異なるものと示し、抗菌薬はウイルス性の疾患には効果がないと説明。次に、細菌の薬剤耐性化の仕組みを概説。薬剤耐性菌を「作らない・広げない」ためには、処方された抗菌薬を医師の指示通りに飲みきることや、ワクチン接種が重要と結んだ。