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梅雨

府医ニュース

2019年6月19日 第2895号

いちにちを降りゐし雨の夜に入りても止まずやみがたく人思ふなり
藤井常世(昭和15年生/歌人)

 梅雨の頃となりました。
 平成28年に日本気象協会が20代から40代の一般の男女300人を対象にインターネットで行った梅雨に関するアンケートで、「梅雨は好きですか?」という質問に対し、75%が「嫌い」と答えたそうです。「好き」は6%、残りは「どちらでもない」でした。
 梅雨が嫌いな理由は、「蒸し暑い」が最も多く、「洗濯物が外に干せない」「カビや食中毒が心配」と続きます。「気分が憂うつになる」という人もいました。
 私はと言えば、自分が6月生まれなので、梅雨を嫌いになりたくないと思ってきました。この時期の雨は作物の成長に欠かせず、夏の水不足を防いでくれます。雨に濡れた木々の緑は美しく、特にアジサイの花には雨が似合います。しとしと降る雨は心を落ち着かせてくれるように思います。
 しかしこれらはあくまでも「しとしと降る雨」の場合です。災害につながるような豪雨は論外です。今年は豪雨による災害がないことを願います。
 冒頭の短歌は20年ぐらい前に新聞で紹介されているのを目にして、ノート(今、時々本欄のネタ帳になっている)に書き留めていたものです。作者の背景など詳しいことは分からず、梅雨の時期に詠んだものかも分かりませんが、一日中しとしとと降り続く雨にこのような発想もあるのだなあと思いました。
(瞳)