TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ

第7回 新研修医ウェルカムパーティー

府医ニュース

2019年5月29日 第2893号

研修医に地域医療への理解求める

 大阪府医師会では府内の研修医が一堂に会して情報交換を行うとともに、地域医療や医療連携を理解し、医師会を身近な存在として関心を持ってもらうことを目的に、例年「新研修医ウェルカムパーティー」を開催している。
 第7回となる今回は4月6日夕刻、大阪市内のホテルで開催。新研修医325人に加えて、臨床研修病院の病院長・研修担当医や郡市区等医師会長ら約150人が参加し、親睦を深めた。また、茂松茂人会長が「最近の医療情勢」をテーマに講演したほか、大阪府医師協同組合・大阪府医師信用組合・府医勤務医部会によるプレゼンテーションが行われた。

国民の生命と健康を守る医師の医療活動を支える
医師会の役割を訴える

女性医師サポート等 多様な働き方を応援

 司会を務めた星賀正明・府医勤務医部会副部会長(府医理事)による開会に続いて、茂松会長があいさつおよび講演を行った。茂松会長はまず、「国民の生命と健康を守る」「医師の医療活動を支える」が医師会の役割とした上で、医療を適切に行える環境を整えることが重要であると強調。「医師の働き方改革に関する検討会」で現在進められている議論に触れながら、特に若手勤務医・臨床研修医・女性医師に対するサポートを通じて多様な医師の働き方を応援し、地域医療を成り立たせていきたいとした。
 次に、医療政策や日本の医療制度に言及し、国民皆保険体制・現物給付・フリーアクセスが特徴であると指摘。その上で、保険診療は保険者と保険医療機関との間の公法上の契約であるとし、「保険医療機関及び保険医療養担当規則」に基づいた診療を行うよう訴えた。更に、我が国の経済の動向を踏まえながら医療政策を解説し、社会保障の充実により国民の不安を解消すべきとした。
 最後に、研修修了を労うとともに、改めて医師会の取り組みを紹介する機会としてウェルカムパーティーpartⅡを紹介。「2年後にぜひ参加してほしい」と促した。

医師の健康と地域医療を守る

 続いて羽生田俊・参議院議員が来賓として登壇。医師は医師法・医療法・健康保険法等の各種法律の中で診療していると説明。今後、医師として働く中でどれだけ法律の規制を受けるか様々な面で実感するであろうとした上で、法律に抵触すれば罰則を受ける可能性もあると注意を呼びかけた。また、自身が座長を務める自民党厚生労働部会の「医師の働き方改革に関するプロジェクトチーム」の活動を紹介。医師の健康を守ることと地域医療を守ることを2本の大きな柱として改革を進めるとし、相反する内容も多いがしっかりとまとめていくとした。

患者に寄り添う優しい心を

 乾杯を行った澤芳樹・府医勤務医部会長(府医副会長)は、今後大切にしてほしいこととして、コメディカルの信頼を得ることなどを挙げた。
 歓談では研修医らが日頃感じている疑問などを先輩医師に投げかけ、アドバイスに聞き入る姿が見られた。また、研修医同士による情報交換も活発に行われた。そのほか、星賀副部会長に指名されて壇上に上がった研修医が働き方改革、専門医制度等に関して意見を述べた後、今後の抱負を語った。
 最後に中尾正俊・府医副会長が閉会あいさつ。研修期間中には辛いこともあるが指導医が相談にのってくれるとし、「患者に寄り添う優しい心で研修に臨んでほしい」と締めくくった。

医師会員を支える
医師協・医師信・勤務医部会

 プレゼンテーションでは、まず森口英世・大阪府医師協同組合副理事長が、購買・保険・福利厚生・教育情報提供――の4事業について説明。これら数多くの魅力あるサービスを提供できる組合は大阪以外にはないとし、府医に入会するメリットであると強調した。
 次に、深見達雄・大阪府医師信用組合専務理事が主要業務である各種ローンを中心に事業を紹介。研修医応援ローンについては、対象が府医会員である研修医とし、府医への入会を呼びかけた。
 続いて、幸原晴彦・府医勤務医部会副部会長が、郡市区等医師会・都道府県医師会・日本医師会の三層構造について解説。また、府医勤務医部会が、病院における院内保育所・託児施設の設置等に大きく貢献したほか、医師の働き方改革について各種会合で議論を重ねていると述べ、三層すべてに入会してほしいと呼びかけた。