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医師・医療関係者のみなさまへ

医学生と語る会2019

府医ニュース

2019年3月6日 第2885号

専門医制度、働き方改革など 様々なテーマで意見を交換

 大阪府医師会勤務医部会は2月15日夕刻、大阪市内で「医学生と語る会2019(通算第11回)」を開催した。ブロック合同企画として行われたこの催しに、在阪5大学の1年から5年まで約20人の医学生が出席。学生生活やキャリア形成など、勤務医部会役員ら先輩医師が助言しながら語り合った。
 進行は星賀正明理事と津川真美子氏(市立池田病院)が務めた。冒頭、宮越一穂氏(南大阪病院)が趣旨を述べ、活発な意見交換に期待を寄せた。初期研修の進路に悩む声には、「研修先を直接見て回ることが大切」とアドバイス。専門医制度の概要も説明され、キャリアデザインを想定しながら考えてほしいと呼びかけた。女性医師支援では、上田真喜子氏(森ノ宮医療大学)が環境の整備・充実に努めてきたと述べた。自身に関しては、当初の専攻から病理学に変更したと言及。「卒業後の方が、勉強が好きになった」と述懐し、「好きな分野を選んだら継続できる」と強調した。
 医師の働き方改革では、勤務医側から「これまでの医療界には、時間外労働に対する認識が低かった」との見解が示された。時間外労働の上限に関する医学生の受け止め方では、「困難」「対応できても家庭との両立が心配」といった意見のほか、医師である親の姿を見て、「昔と今の良いところを今後につなげていきたい」との前向きな考えも聞かれた。
 いわゆる「地域枠」に関し、幸原晴彦・勤務医部会副部会長は、医療政策の動向や医師会の取り組みを概説。医師少数地域で勤務した原田優樹氏(小松病院)は、「『行けそう』と思ったら行ってみることが経験につながる」と回答した。更に、医学生(1年)が、「勉強以外に取り組むことが多く、時間が足らないのではないか」と不安を吐露すると、上級生が激励。医療系学部の学生と交流するなど、充実した日々を送る様子が伝えられた。また、他の学部を経て医学部を再受験した上級生は、医学生の印象を率直に表明。もっと外に視野を広げ、貪欲になってほしいと述べた。結びにあたり星賀理事は、活発な討議に謝意を表明。時代の変遷に応じた、より良い医療環境の整備につなげていきたいとした。