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医師・医療関係者のみなさまへ

医療機器開発のためのニーズ創出・事業化支援セミナー 大阪で開催

府医ニュース

2019年3月6日 第2885号

日本型エコシステムの発展期待

 平成30年度第6回医師主導による医療機器開発のためのニーズ創出・事業化支援セミナー(主催:日本医師会・経済産業省)が2月16日午後、大阪大学銀杏会館で開催。医師や事業者、行政担当者らが出席した。日医では、医師主導による医療機器の開発・事業化に関する支援業務を27年より開始。翌年より同セミナーを実施し、今回は阪大医学部・同附属病院が共催、大阪府医師会らが後援した。
 冒頭のあいさつで羽鳥裕・日医常任理事は、「日本型エコシステム」による医療機器の開発・発展に期待を込めた。来賓として登壇した茂松茂人・府医会長は、医療現場から国民の健康につなげる意義を強調。医療費抑制が続く中、産学連携の取り組みが効率的な医療提供の一助となるよう祈念した。

未来医療への活動 澤副会長が講演

 経産省担当者の事業説明の後、澤芳樹・阪大大学院医学系研究科外科学講座心臓血管外科教授(府医副会長)が、「産学連携による医療機器開発の成功を目指して――阪大クロスイノベによるエコシステム」と題して講演した。心臓は「生命維持に重要なエンジニアリング機器」と述べ、心臓血管外科の発展は医療機器の開発に直結すると前置き。その上で、「シリコンバレー型エコシステム」に触れ、阪大での未来医療の実現に向けた活動を紹介。「産学連携・健康医療クロスイノベーションイニシアティブ」を設立し、ヘルスケアに関するオープンイノベーションに取り組んでいるとした。また、未来医療国際拠点(大阪市北区中之島)での事業展開にも言及した。
 続いて、阪大大学院医学系研究科の八木雅和氏、宮川繁氏が講演。宮川氏は、AI/IoT技術を用いた循環器関連機器の開発を報告した。その後、「遠隔心臓リハビリシステム」「8K内視鏡」――の開発事例を提示。更に、医療機器開発の基礎講座、パネルディスカッションが開かれ、出席者は熱心に聴講した。