TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ

平成30年度 医学生、研修医等をサポートするための会

府医ニュース

2019年3月6日 第2885号

男女ともに活躍できる社会を目指して

 平成30年度「医学生、研修医等をサポートするための会」が2月9日午後、大阪市立大学医学部附属病院で開かれた。本会は在阪5大学医師会と大阪府医師会・日本医師会が共催しているもので、今年度は大阪市立大学医学部医師会が担当。「私にとっての男女共同(協働)参画」をテーマに実施され、約60人が参加した。
 安井智代氏(大阪市立大学医学部附属病院女性診療科准教授/府医男女共同参画検討委員会委員)が司会進行を務め、笠原幹司理事があいさつ。女性医師の割合が増え、仕事と子育ての両立に向けて様々な支援策が推進されている一方、男性の育児休暇の取得は依然として進んでいない現状に言及。性別にかかわらず、これからの医療を担うすべての医師が活躍できる勤務環境の改善を推進するためにも、職場や家庭における理解・協力も不可欠であると述べた。次に、大畑建治氏(同大学医学部医師会長)が登壇。脳神経外科の女性医師の割合は4%程度と前置きした上で、脳科学の観点から女性に適している診療科であると語った。しかしながら、女性医師の外科参入には、労働環境の一層の改善と専門医制度の再考を要すると指摘した。
 引き続き、安井氏が座長を務め、「我が家のライフワークバランス――中学受験を前にして」(中野雄介氏/和泉市立総合医療センター腫瘍内科・婦人科)、「医師13年目、ワーキングママ10年目になって」(山崎祐子氏/同大学大学院医学研究科代謝内分泌病態内科学病院講師)、「女性診療科としての男女共同参画の在り方」(今井健至氏/泉大津市立病院産婦人科)、「内視鏡技術認定医を目指す女性消化器外科医の道」(吉井真美氏/住友病院外科医長)――の各講演が行われた。それぞれの立場から、仕事と家庭の両立、女性医師が働き続けることのできる環境づくりなどを取り上げた。
 次いで、山口悦子氏(同大学医学部附属病院医療安全管理部病院教授・副部長)が「『男女協働』の基本である心理的安全について」と題して講演を行った。まず、共同(joint)と協働(collaboration)の違いに触れ、現代で必要なものは協働であると強調。また、協働を阻害するものは「個人の常識」と述べ、一人ひとりの常識は違うと認識し、多様性を認めることが協働への道筋になるとした。
 最後に、演者全員でパネルディスカッションを実施。会場と意見を交わした後、笠原理事より日医女性医師バンクの紹介がなされた。