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医師・医療関係者のみなさまへ

近大医学部2年生に茂松会長が特別講義

府医ニュース

2019年2月27日 第2884号

医師会は医師の働き方を応援

 茂松茂人・大阪府医師会長は1月31日午後、近畿大学医学部第2学年の学生を対象に特別講義を行った。臨床総論Ⅰ・実習のテーマは「医師会の役割」。福田寛二・同大学教授(前府医理事)に促されて登壇した茂松会長は、世間で言われる医師会のイメージと実際の活動とは大きく異なると前置き。国民の生命・健康を守るとともに、医師の医療活動を支えるため、様々な取り組みを行っているとした。
 続いて、戦後以降の医療制度の変遷や医療を取り巻く課題などを丁寧に説明。特に小泉純一郎政権時の「聖域なき構造改革」では、医療・介護・福祉制度にも弊害が生じたと振り返った。一方、日本の医療の特徴として、「国民皆保険体制」「現物給付」「フリーアクセス」を列挙。国際的にも低コストで平等な医療が提供され、世界有数の長寿国の実現につながっていると述べた。しかし、少子高齢化が進み、経済の低迷や社会保障費の抑制の影響など、国民は生活への不安を感じていると指摘。茂松会長は、社会保障の充実による国民不安の解消が不可欠であり、医師会としても地域医療活動だけでなく、国や行政への意見の提言を積極的に行うなど、多方面で尽力しているとした。
 最後に医師会の概要や具体的な取り組みに触れた。府医では勤務医が会員数の半数以上を占め、「福田教授には、大学での勤務に加えて府医理事として『勤務医部会』を担当していただいた」と述懐。また、「新研修医ウェルカムパーティー」のほか、若手勤務医や研修医、女性医師に対するサポートなどを通じ、多様な医師の働き方を応援していると呼びかけた。そして、次世代に適切な医療を引き継いでいくためには、国民の理解と協力を得ながら、ともに行動することが重要と強調。更に、「在るべき医療」の実現には、医師会の組織強化によって発言力を高めていくことも求められるとまとめた。