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医師・医療関係者のみなさまへ

最新の肝疾患治療に関する研修会

府医ニュース

2019年2月20日 第2883号

NASHの今後を注視

 大阪府・大阪府医師会共催(大阪府肝疾患診療連携拠点病院連絡協議会協力)による「最新の肝疾患治療に関する研修会」が1月18日午後、府医会館で行われた。当日は最新治療についての講演や大阪府の肝炎対策が報告され、約120人が聴講した。
 加納康至副会長は開会あいさつの中で、「大阪府では、肝炎対策の充実に取り組んでいる」と前置き。また、肝炎治療の進歩と相まって、多くの患者の救済につながればと期待を寄せた。
 最初に、阪森亮太郎氏(大阪大学大学院医学系研究科消化器内科学助教兼医学部講師)が、「肝疾患の最新治療について」と題して講演した。まず、肝がんの背景肝疾患として「B型・C型肝炎以外の肝疾患」が増加傾向と指摘。特にNASH(非アルコール性脂肪性肝炎)は、治療介入がなければ肝硬変に進行するリスクが高まることや、患者数が増加する可能性も含め、「今後も動向を注視しなければならない」と警鐘を鳴らした。また、B型肝炎・C型肝炎に関しても詳しく解説。B型肝炎における治療では、核酸アナログ製剤で良好なウイルス制御につながったものの、「継続的な肝がんサーベイランスが必要」とした。C型肝炎では、DAA製剤の開発により、「多くの患者が治療を目指すことができるようになった」と加えた。
 引き続き、大阪府健康医療部保健医療室健康づくり課の担当者が、「大阪府の肝炎対策」を説明。肝炎ウイルス検査をはじめ、肝炎専門医療機関への受診勧奨・医療費助成を報告した。あわせて、医療機関に対し「患者へ同制度を周知してほしい」との要請がなされた。