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福島区医師会 区民講座

府医ニュース

2019年2月6日 第2882号

認知症、正しい知識を身に付けて

 福島区医師会(中島滋郎会長)は1月16日午後、大阪市認知症等高齢者支援地域連携事業として、同区民センターで認知症に関する区民講座を開催。「ちまたの情報整理しよう」をテーマに掲げ、近隣住民ら約200人が参加した。開会前には、同区コミュニティサロン連絡会より参加者に茶菓子が振る舞われ、場を和ませた。

 冒頭、中島会長があいさつ。認知症の特徴として、症状に個人差があり治療も難しいことに加え、「周囲の負担の大きさ」を挙げた。その上で、世間は様々な情報があふれているが、一方で、行政のサポートなど「必要な情報」が得られない場合も散見されると指摘。本講座が情報を整理する一助になればと語った。
 引き続き、福島区地域包括支援センターが、「オレンジチーム」の活動を紹介。初期集中支援チームの取り組みを報告し、「認知症でも支援があれば住み慣れた地域で生活ができる」と述べ、チームの積極的な活用を呼びかけた。

コグニサイズで認知症予防

 次いで島田裕之氏(国立長寿医療研究センター老年学・社会科学研究センター予防老年学研究部長)が、「今日からできる認知症予防」と題して講演。運動による認知症予防へ向けた取り組みなどを伝えた。島田氏はまず、認知症となる因子は加齢が大きいとする一方、「全員が認知症になるわけではない」と述べ、予防の重要性に言及。認知症の原因疾患として最も多いアルツハイマー病を解説するとともに、MCI(軽度認知障害)段階での対応が鍵になると説いた。また、認知症の危険因子として、▽生活習慣病▽難聴▽喫煙▽運動不足――などを挙げ、その対策としてバランスのとれた食事や認知トレーニングを助言。食生活では皿の種類を多くして「品数を増やす」、しりとりや会話をしながらウォーキングするなどの方法を伝えた。最後に、運動と認知課題を組み合わせた認知症予防運動プログラム「コグニサイズ」を紹介。聴講者とともに実施し、「認知症を予防して元気に過ごしてほしい」と結んだ。