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医師・医療関係者のみなさまへ

調査委員会だより No.51

府医ニュース

2018年12月5日 第2876号

人生の最終段階における 医療に関する府民アンケート② ――府民の7割は延命治療を希望せず 鈴木 隆一郎

調査方法と結果①

 「人生の最終段階における医療に関する府民アンケート」は、大阪府医師会調査委員会がインターネット調査として企画し、平成30年1月に実施しました。質問は10問で構成され、府医が選定したリサーチ会社が、同社が保有する全国のモニターから、大阪府在住の男女を年齢区分(10歳階級別、20代~70代)別の母集団比率に応じて層化抽出し、有効回答者数が合計1200人に達するまで調査しました。第77回日本公衆衛生学会総会で結果を発表いたしました。その内容を含め、これから数回に分けてご報告します。
 注目すべき結果は、「延命治療」を「希望しない」と回答した府民が全体の69.6%にも達していたことです。質問および年齢階層別の回答結果とを図に示しました。年齢が高くなるにつれて「希望しない」割合が高くなる傾向が明らかです。「分からない」と「希望する」の割合は、その逆の傾向ですが、「希望する」はわずかでした。
 なお、上記の質問の直前に「延命治療法について、ご存じの方法はありますか?(複数回答可)」の質問を設けて、次の3つの方法を提示したところ、「人工呼吸」は78.8%、「胃ろう」は48.4%、「気管切開」は48.8%の回答であり、「いずれも知らない」は17.0%に過ぎませんでした。「延命治療とはこのようなもの」との共通のイメージを持って判断されたと考えます。