TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ

拡大鏡

府医ニュース

2018年11月28日 第2875号

◆4月、新品のランドセルを背負って歩く1年生の姿は愛らしいが、この「ランドセル」が深刻な問題となっている。「脱ゆとり教育」以降、ページ数が増え、大判化とフルカラー印刷対応用紙の使用等から、教科書は重くなる一方だ。「ランドセル」は時に10㌔を超え、子どもの体重の30~50%の重量となる結果、頸肩痛や背痛の原因となっている。
◆さて「職場における腰痛予防対策指針」(厚労省)では、人力のみで成人男子労働者の取り扱う物の重量は体重の概ね40%以下、成人女子労働者では男性の60%位までとされる。
◆各種統計を基に、成人女子労働者の基準を小学生に適用すると、「取り扱える重量は、小1:5㌔以下、小6:9㌔以下」と算出される。
◆現状の小学生のランドセルの重さは「立派な労働基準法違反」であり、明確な指針の下に改善が急がれるべき問題だ。例えば「バックパックの重さは体重の10~20%を超えない」(米国小児科学会)のような指針を作るべきではないだろうか? 業界ではなく、医師会にこそ期待したい。(猫)