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医師・医療関係者のみなさまへ

藤井寺市医師会市民公開講座

府医ニュース

2018年11月28日 第2875号

関心高い「めまい」を解説

 藤井寺市医師会(藤本恭平会長)は10月20日午後、同市で「気になる『めまい』のはなし」をテーマに市民公開講座を開催。多くの市民が熱心に聴講した。また、國下和男・藤井寺市長が来賓として出席した。
 長﨑雄二・同市医師会副会長の進行により、はじめに藤本会長があいさつ。今回は、来場者アンケートで関心の高かった「めまい」を取り上げたと述べ、日常生活の一助となるよう期待を込めた。

救急搬送必要な
危険なめまいも

 一般講演では時吉浩司氏(ときよしクリニック院長)が登壇。「『くるくる』『ふわふわ』『ふらふら』のめまい」と題し、めまいの原因や種類、症状別の診療科などを解説した。「くるくるめまい」は、耳疾患や小脳・脳幹疾患が該当するが、▽激しい頭痛▽嘔吐▽手足・顔のしびれ▽意識混濁▽呂律が回らない▽急にまっすぐ歩けなくなった――などの場合は、救急搬送の要請を促した。車酔いや船酔い、自律神経失調、血流障害による「ふわふわめまい」は、かかりつけ医の受診をアドバイス。「ふらふらめまい」では、脳疾患以外に筋力・身体能力の低下を指摘。「サルコぺニア対策」として、運動や食生活の改善を呼びかけた。
 続いて、瀬尾徹氏(近畿大学医学部耳鼻咽喉科学准教授)が「耳からくるめまいについて」と題して特別講演。耳鼻咽喉科領域のめまい患者に多い「メニエール病」「良性発作性頭位めまい症(BPPV)」を中心に説述した。メニエール病の病態は内リンパ水腫であり、その治療を紹介。また、疫学的な特徴から、精神学的なアプローチも必要と付け加えた。BPPVは半規管内の結石が原因と言及。結石を半規管外に出す「エプレイ法」などの治療を示した。更に、BPPVに有効な「めまい体操」を紹介。無理をせず、主治医の指示に従い、症状の改善に努めてほしいとした。