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医師・医療関係者のみなさまへ

府医創立71周年 記念式典・祝賀会

府医ニュース

2018年11月28日 第2875号

「災害医療体制」更なる充実誓う

 大阪府医師会は11月3日、創立71周年記念式典および祝賀会を挙行。現執行部に加え、郡市区等医師会長や歴代の府医役員ら約160人が集まり、盛大に祝した。また、医学教育功労者ならびに功労会員らを表彰し、これまでの功績をたたえた。
 式典は栗山隆信理事の司会で開会。中尾正俊副会長の開会の辞で幕が明け、茂松茂人会長が式辞を述べた。茂松会長はまず、昭和22年11月に新制医師会としてスタートし、今日まで発展したことは先輩方の尽力によるものと謝意を表した。次いで、多発する自然災害に言及。大阪北部地震では被災地となり、訓練では見えなかった課題が浮き彫りになったとし、体制整備に向け一層努力すると誓った。あわせて、JMATのネットワークが全国に浸透していることが再確認でき、「非常に心強かった」と語った。一方、医療を取り巻く環境はますます厳しくなると指摘。安倍晋三首相は施政方針演説で全世代型の社会保障改革を打ち出しており、来夏の参議院議員選挙後は、医療費抑制に向けた施策が本格的に動き出すのではないかと懸念した。その上で、国民本位の医療提供体制を構築するためには医政が重要と改めて強調。次期参院選を「試金石」と位置付け、更なる協力を呼びかけた。そして、「社会保障は、消費ではなく投資」と力説。厳しい状況ではあるが、一致団結して日本医師会を支えたいとし、支援を要請した。
 引き続き、医学教育功労者として黒岩敏彦氏(大阪医科大学附属病院脳神経外科学教室教授)、保健文化賞受賞記念大阪府医師会長賞を受賞した大阪皮膚科医会を表彰(別掲)。また、功労会員として白寿会員8名、米寿会員77名、在任10年以上となる府医裁定委員・役員・代議員・各種委員会委員・永年勤続職員、郡市区等医師会長に感謝状が贈呈された。この後、被表彰者を代表し、黒岩氏が謝辞。今後も府医発展のために尽力すると述べた。
 最後に、高井康之副会長が、「執行部が一丸となり会務に取り組む」とあいさつし、閉会した。

記念祝賀会を開催
懇親深める

 祝賀会では、羽生田たかし参議院議員と自見はなこ参議院議員が祝辞を披露。羽生田氏は医師の働き方改革に触れ、医師の健康確保と地域医療体制維持を柱に、「政府に覚悟を求めていく」と気勢を上げた。自見氏は出入国管理及び難民認定法改正案の課題を挙げ、「国民皆保険制度を次世代に引き継げるよう尽力する」と誓った。
 その後、岡原猛・府医代議員会議長による乾杯の発声で、記念祝賀会を開催。今後の府医の発展を願い、懇親を深めた。

表彰者・団体の紹介

○医学教育功労者
黒岩敏彦氏(大阪医科大学附属病院脳神経外科学教室教授)

 昭和54年3月、大阪医科大学医学部を卒業。60年に脳神経外科専門医を取得後、米国ニューヨーク州モンテフィオーレ病院に留学。帰国後、同大学助手、講師を務めた後、平成12年に同大学教授に就任した。その後、同大学臨床工学室長、図書館長などを歴任し、24年から4年間、同大学附属病院長に就任。現職は同大学附属病院がんセンター長。
 医学教育に注力する傍ら、悪性脳腫瘍に対する新規治療の開発に取り組み、脳腫瘍の術中光線力学診断を目的とした可視蛍光や近赤外光を観察可能な顕微鏡システムを世界で初めて開発した。学術面では、日本脳神経外科救急学会や日本脳神経外科光線力学学会の理事長をはじめ、多くの要職を務めた。

○保健文化賞受賞記念大阪府医師会長賞
大阪皮膚科医会(磯ノ上正明会長)

 平成11年、大阪皮膚科臨床医会と大阪皮膚科専門医会が発展的に統合し設立。300名余りの会員で構成され、国民により良い皮膚科医療の提供を目的に活動している。発会当初より、市民を対象とした「皮膚の日講演会」を開催し、皮膚疾患やケアなどの啓発活動を展開するとともに、当該活動を通じて新たに判明した皮膚病の原因や新しい治療法などを広く周知した。

元気な笑顔に乾杯
和やかに府医「健老会」開く

 別会場では、約300人の参加を得て「健老会」を開催。矢野隆子理事が司会を務め、和やかなムードで卓を囲んだ。
 冒頭のあいさつで茂松会長は、府医の発展は先達の尽力の賜物と敬意を表した。続いて、羽生田・自見両参議院議員が登壇。それぞれが国政活動を報告するとともに、一層の支援を要請した。続いて、今年度に叙勲の栄に浴された会員が紹介され、矢野理事・森口久子理事より花束が贈られた。また、出席会員で最高齢の石橋悟氏に花束が贈呈された。その後、府医厚生福利委員会委員長の松山浩吉氏の発声で杯を掲げ、和やかな時間を過ごした。

健老会

 大阪府医師会の発展は先人の努力との観点から、満70歳以上の会員を敬うため、昭和25年に「敬老会」として発足。55年に現在の「健老会」へと名称を変更し、今日まで開催を続けている。11月3日時点での健老会員は3099人。