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医師・医療関係者のみなさまへ

東大阪市民健康シンポジウム

府医ニュース

2018年10月31日 第2872号

100歳まで歩く 自分の体に合った運動を

 河内医師会(津森孝生会長)主催、布施医師会・枚岡医師会共催による市民向けイベント「東大阪市民健康シンポジウム」が9月29日午後、同市内で開かれた。今回は「百歳まで歩こう!――寝たきりにならないために」をテーマに掲げ、健康寿命の大切さを伝達した。このほか、ラグビー日本代表のキャプテンを務めた大畑大介氏による特別講演が行われ、約250人の市民が耳を傾けた。
 冒頭、津森・河内医師会長があいさつ。日本は長寿社会となったが、「健康寿命」が大切になるとし、本日の講演を健康づくりに役立ててほしいと述べた。次いで、野田義和・東大阪市長が登壇。健康に過ごすためには、事前の備えと早期の気付きが大切であり、「かかりつけ医を持つことが重要」と指摘。東大阪を明るく元気な街にしたいと抱負を語った。
 続いて、城山晋氏(河内総合病院整形外科部長)が、「自分の足で歩く――ロコモと健康寿命」と題して講演を行った。シンポジウムのテーマである「100歳まで歩く」という解釈は、自宅で今まで通りの生活ができることと同義であり、そのためには「適切な運動が重要」とアドバイス。年代に応じた運動強度、時間、頻度などを挙げ、詳しく解説した。その上で、スマートウォッチなどで運動の記録を取ることが、モチベーション維持につながると言及。自分の体と相談しながら、「適度な運動に取り組んでほしい」と呼びかけた。次いで、中山陽加氏(市立東大阪医療センターリハビリテーション科)が、「家庭でできる寝たきり予防――筋肉を痩せさせない」として、ロコモティブシンドロームやサルコペニアを解説。また、筋肉を減らさないための簡単な体操についても紹介した。最後に山口恵子氏(河内医師会訪問看護ステーション)が「寝たきりにならないために――訪問看護でできること」と題し、実際の事例を交えて訪問看護の様子を報告。早期介入で、患者の寝たきり予防に取り組んでいると述べた。
 特別講演では、ラグビーワールドカップ2019アンバサダーの大畑氏が、「ラグビーは社会の縮図だ――信頼と個性の尊重でつなぐ組織論、団結力」と題し、自身の経験で感じた「思い」を語った。大畑氏は、ラグビーでは、様々な個性を持った仲間がそれぞれの役割を果たし、同じ目的に向かうと指摘。それは、「まさに社会の縮図」であり、競技を通じて多くのことを学んだと振り返った。そして、今後もラグビーに関わり続けていきたいと結んだ。