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エイジレス健康講座で清水氏

府医ニュース

2018年10月31日 第2872号

最新の白内障手術を解説

 大阪府医師会は、ATCエイジレスセンター実行委員会とともに第134回エイジレス健康講座を9月15日午後、大阪市住之江区にあるATCエイジレスセンター内で開催。当日は、「最新の白内障手術」をテーマとして、清水一弘氏(愛仁会高槻病院眼科主任部長)がやさしく語りかけ、40人を超える市民が熱心に耳を傾けた。
 清水氏は、白内障について、フィルムカメラで例えるとレンズにあたる水晶体が白濁することで発症するが、加齢とともに白髪になるのと同様、個人差はあるが、誰もが必ず罹患すると説明。また、日本人が重度視覚障害を負う二大原因は緑内障と糖尿病網膜症であるが、世界に目を転じると白内障で失明する人が最も多く、約半数を占めると報告した。これは、発展途上国では誰もが手術を受けられる環境にないことが原因と指摘した。白内障の主症状として、「かすんで見える」「まぶしくなる」などを挙げ、目の周辺から中央部に徐々に白濁範囲が広がり、症状が中央に至ると日常生活や仕事に支障を来すと述べ、この時点が手術を受けるタイミングになるとした。
 最近の白内障手術では、フェムトセカンドレーザーを利用して乱視矯正や多焦点レンズを装着する手術が行われていると紹介。また、術後、数カ月から4年間で手術時に残した水晶体の後嚢が白濁する「後発白内障」が発症する場合には、ヤグレーザーを用いた後嚢切開術により、症状は改善すると付言した。最後に、白内障手術は眼科領域で行う手術としては最も成功率は高いが、術後しばらくは「打撲に注意する」「目をこすらない」「プール、サウナ、温泉などに入らない」などを順守するよう伝達。定期的に受診するとともに、見え方には個人差があることを考慮し、他人と比較しないようにとアドバイスした。