TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
府医ニュース
2018年10月31日 第2872号
日本プライマリ・ケア連合学会の大阪地区勉強会である「プライマリ・ケアを語ろう・おおさか」第34回の会合が8月19日、大阪市内で開催された。同会は会費のみで運営され、自由度を重視し、参加型・体験型の企画を特徴としている(代表世話人は梶山泰男氏/中央区東)。
摂食嚥下機能の評価と口腔ケアは、フレイルや誤嚥性肺炎を予防するために重要であるにもかかわらず、プライマリ・ケア医が主体的に関わる機会は乏しい。今回は地域で長年食支援に取り組まれてきた五島朋幸氏(ふれあい歯科ごとう代表)を招き、口腔ケアの基礎と咀嚼嚥下機能の評価、そして地域での食支援の取り組みについて学んだ。
正しい口腔ケアを理解している医療従事者は少ないが、細菌の除去と組織の刺激で正常に噛んで飲み込めるような口腔環境を整え、ケア者と患者とのコミュニケーションまでも含めた総合的なケアであるという解説により、口腔ケアについての正しい認識を得ることができた。そして咀嚼嚥下機能を評価するためには、患者が食べ物を噛んで喉の奥に送り飲み込むまでの過程を評価者自身が観察することが最も大事であり、造影や内視鏡など検査だけで判断してはならないという言葉には、すべての参加者がはっとさせられた。
最後に、地域で食支援を必要とされる多くの高齢者をケアするために、医療従事者だけではなく多職種を巻き込んだ総合的な活動である新宿食支援研究会を紹介された。まさにプライマリ・ケアの実践であり、多職種協働の模範であった。
恒例の管理栄養士とホテルシェフによる健康ランチは、オーラル・フレイル予防のためのメニューを取り上げた。適度な噛み応えと口腔への刺激が工夫されており、たいへん好評であった。
問い合わせは事務局(ミック大阪内、電話06―6946―0405)まで。
報告 山寺慎一(生野区)