TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ

働き方は医師会が守る

府医ニュース

2018年10月17日 第2871号

今村日医副会長
府医役員と勤務医部会役員と懇談

 大阪府医師会は、平成30年度の府医役員と勤務医部会役員との懇談を9月6日夕刻、府医会館で開催。府医役員17人、勤務医部会役員20人が出席した。今回は「医師の働き方改革」をテーマに実施。各所で議論が展開される中で、厚生労働省の検討会にも参画している今村聡・日本医師会副会長を迎え、率直な意見交換を行った。
 幸原晴彦・勤務医部会副部会長の司会により開会。茂松茂人会長はあいさつで、医療がサービス業とみなされる現状を懸念し、広く国民にも理解を求めながら議論が進められることを期待すると述べた。
 続いて、今村・日医副会長が「医師の働き方改革の現状と日本医師会の取り組み」と題して基調講演を行った。今村氏は①働き方改革関連法②厚労省の動き③日医の取り組み④今すべきこと――について、これまでの経緯と現状、今後の見通しを語った。6月末に成立した関連法に沿って、31年4月から長時間労働の是正が進められるが、医師においては別途省令で定めるとされていることを改めて指摘。また、「地域医療の継続性」と「医師の健康への配慮」の視点から、医師の働き方改革では、厚労省の医政局と労基局との間で、「現行の労働法規で規定すべきなのか、勤務医のための法規が別途必要なのか」という議論が続いていると報告があった。更に、改正医療法により、医療勤務環境改善支援センターと地域医療支援センターの連携強化が図られることが示された。最後に、「医療提供者だけではなく、医療を受ける側の意識改革も併せて必要である」との見解が議論の場にも出ていることを紹介した。
 意見交換では、研修医の自己研鑽と業務、働き方改革と地域医療構想、キャリア形成などを巡って、現状や課題などが提示された。これを受け、今村・日医副会長は、医師の働き方改革は単に労働時間だけの問題だけはないと指摘。本来の医療の在るべき姿を希求する医師一人ひとりの裁量が尊重される法整備が求められるとした。その上で、国民の理解を得ながら日本の医療が管理医療に陥らないよう、「医師の働き方は医師会がしっかり守っていく」と強調した。