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医師・医療関係者のみなさまへ

調査委員会だより No.49

府医ニュース

2018年10月3日 第2870号

女性医師支援について
文 青山 さつき(寝屋川市)

 第20回から23回までの大阪府医師会会員意見調査(平成21・23・25・28年度実施)結果から、女性医師支援について検証した。
 「育児と医師としての仕事の両立の可否」では、「両立できると思う」「両立は困難だができると思う」の合計は、それぞれ64.9%(21年度)、65.6%(23年度)、71.5%(25年度)、66.0%(28年度)と高値であった。一方、「出産・育児等で長期業務離脱後の現場復帰の可否」では、「少し難しい」「かなり難しい」「不可能」と否定的な答えが49.4%(21年度)、48.6%(23年度)、46.8%(25年度)、63.6%(28年度)を占め、「可能である」はいずれの調査でも2割前後であった。仕事と子育てを両立したい気持ちはあっても、思うように復帰できないのが現状である。ならば、復帰には何が必要かを尋ねた「長期業務離脱後の現場復帰に必要な支援策」では、上司・同僚・家族の理解、勤務体制、人員補充、院内・病児保育、教育システム等が挙げられ、まだまだ多くの支援が必要ということのようである。「院内での病児保育の受け入れの可否」という設問でも、80%前後の施設が「対応していない」との回答であった。
 女性医師が女性としての生き方と医師としてのキャリア継続をどのように選択し、両立していくかは、当事者のみならず社会全体にとっても重大な事柄であり、その支援策は喫緊の課題である。それには女性医師自身の両立への強い覚悟と、成熟した周囲の助け(システム構築)が必要であると考える。