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医師・医療関係者のみなさまへ

糖尿病日常診療の進め方研修会

府医ニュース

2018年10月3日 第2870号

労働者の治療継続が大切

 平成30年度糖尿病日常診療の進め方研修会(主催=大阪府医師会・大阪糖尿病対策推進会議・全国健康保健協会大阪支部)の第1日が8月29日午後、府医会館で開かれ、約140人が参加。「よりよい糖尿病コントロールを目指して」をテーマに講演が行われた。
 司会・座長は、福田正博氏(大阪糖尿病対策推進会議幹事/ふくだ内科クリニック院長)が務めた。はじめに矢野隆子理事があいさつ。糖尿病性腎症重症化予防の重要性を述べ、一層の協力を要請した。
 続いて、全国健康保険協会(協会けんぽ)大阪支部の担当者より、30年9月にスタートした同支部における糖尿病性腎症重症化予防事業に関する説明がなされた。糖尿病の重症化による腎不全や人工透析への移行を防止するため、重症化リスクがあるにもかかわらず医療機関を受診していない被保険者への受診勧奨を実施するとして、対象基準および医師の診察につなげる流れを詳説。対象者は約千人を見込んでいるとして協力を求めた。
 その後、黒瀬健氏(大阪糖尿病対策推進会議事務局/中之島クリニック院長/関西電力医学研究所糖尿病地域医療推進センター長)が登壇し、「糖尿病性腎症重症化予防事業について」と題して講演。2型糖尿病の特徴として、▽自覚症状が少ない▽40歳代では定期通院中の患者が4割にとどまる▽差し当たりの就労には問題がない――などを挙げた。その上で、大阪府では、糖尿病性腎症による新規の透析導入患者が毎年千人を超えているとして、「労働者が治療を継続できる体制」の構築が重要と強調。医療機関と産業医の連携も含めた医療連携を更に深めることが大切と述べた。