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医師・医療関係者のみなさまへ

認知症サポート医フォローアップ研修

府医ニュース

2018年9月26日 第2869号

平成30年度第1回
高齢者の不安・不眠治療など解説

 大阪府・大阪市・大阪府医師会主催による認知症サポート医フォローアップ研修が8月25日午後、府医会館で行われた。今回は最新の認知症治療に加え、高齢者における向精神薬投与に関する講演を実施。認知症サポート医ら約500人が聴講した。
 当日は黒田研二氏(関西大学人間健康学部教授)が司会・座長を務めて開会し、冒頭に中尾正俊副会長があいさつ。認知症サポート医の役割を改めて解説するとともに、日頃の活動へ謝意を表した。また、認知症の方が住み慣れた地域で生活できるよう努めたいとして、一層の協力を要請した。
 最初に金田大太氏(大阪市立弘済院附属病院神経内科部長・認知症疾患医療センター副センター長)が、「認知症疾患医療センターの取り組みと最新の認知症治療について」と題して講演した。まず、アルツハイマー病とアミロイドとの関連を説明。治療の現状や薬剤の開発状況などを示した。また、「孤独感とアミロイド蓄積量は相関する」との研究を紹介。70歳以上の男性は会話の頻度が減るとし、「会話をどう増やすか」が検討課題とする一方、医療関係者との会話頻度が高いことを強調。予防的側面からも、かかりつけ医が介入することは重要と述べた。あわせて認知症サポート医および認知症疾患医療センターの役割を詳説。認知症になっても、「より良く暮らせる社会が大切」とし、サポート医の更なる活躍に期待を寄せた。
 引き続き、稲田泰之氏(大阪精神科診療所協会理事/稲田クリニック院長)が、「高齢者における向精神薬治療」をテーマに登壇。高齢者治療の一環として、睡眠薬処方を中心に解説した。稲田氏は平成30年度診療報酬改定で、「向精神薬の多剤・ベンゾジアゼピン長期処方時の減算が設定された」と報告。適切な薬物療法の推進が重要とし、自身の経験を交えて処方時の注意点や確認すべき事項を伝えた。