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医師・医療関係者のみなさまへ

大阪府・大阪市に次年度予算要望を伝達

府医ニュース

2018年9月19日 第2868号

 大阪府医師会および大阪府地域医療推進協議会では、例年、大阪府・大阪市の次年度予算編成に際し、医療提供体制の充実などを要望している。
 8月20日午後、茂松茂人会長、中尾正俊・高井康之・加納康至副会長、栗山隆信理事が大阪府庁を訪問。冒頭、茂松会長が平成31年度大阪府予算の編成に対する要望書を松井一郎・大阪府知事(濵田省司副知事が代理)に手交した。茂松会長はあいさつで、大阪北部地震での迅速な対応に感謝の意を伝えた。一方、災害における都市の脆弱性が浮き彫りになったと述べ、対策の強化が求められるとした。また、健康格差の拡大や将来への不安などに対し、社会保障が適切に機能することが重要であると指摘。府民の健康保持および増進や、保健・医療・福祉の施策充実に向けた協力を要請した。
 続いて、中尾副会長が29項目にわたる要望書の趣旨説明を行った。大阪府医療計画の推進においては、高齢者の更なる増加、災害時の医療体制、在宅医療の整備状況などを考慮した上で、「患者中心の医療供給体制」の構築を主張した。更に、訪日外国人の医療対策に言及。訪日外国人の拡大は国の方針であり、未収金問題など医療機関が直面する問題に関し、行政が主体となって取り組むべきと論じた。濵田副知事は、府医の要望を総括し、健康医療行政だけでなく、福祉・教育分野を盛り込んだ包括的な指摘と発言。府医の幅広い活動に謝意を示すとともに、府民の健康を最優先課題として尽力するとした。あわせて、超高齢社会を迎え、これまで以上に「支える医療」を重視していくと述べた。
 8月27日には茂松会長、中尾・高井・加納副会長、栗山理事のほか、宮川松剛理事、前久保邦昭・大阪市医師会連合会長が大阪市役所を訪れた。茂松会長より要望書が吉村洋文・大阪市長(鍵田剛副市長が代理)に手渡され、中尾副会長が概要を紹介。健康施策の充実を求める要望は24項目に及んだ。住吉市民病院廃止に伴う府市共同住吉母子医療センター再編計画に関しては、懸念を表明。住之江診療所が暫定診療を行うことで、大阪市では「医療空白が回避できた」と捉えているが、これまで同病院が担ってきた公的・福祉的医療は完全には存続されていないと訴えた。前久保・市医連会長は、地区医師会と各区保健福祉センター・区役所との連携強化など、公衆衛生体制の更なる充実を呼びかけた。これらを踏まえ、鍵田副市長が回答。9月からの予算編成に向け、関係部局と議論し検討していくとした。
 各日とも、府医からの予算要望の終了後に、府・市幹部職員と大阪府地域医療推進協議会(協議会長=茂松・府医会長)による懇談を開催。加盟団体の代表が次年度予算編成への要望を伝えた。