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医師・医療関係者のみなさまへ

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府医ニュース

2018年9月19日 第2868号

◆医療の急速なICT化とともに、医療システムの機能構成は変化し続ける。それに人間側が適応できず許容限界を超えると、ヒューマンエラーが起こり医療事故につながる。医療現場でのヒューマンエラーは、特にコミュニケーションエラー、見落としといった形で現れる。
◆昨今、CT検査に絡む、がん見落とし事故が頻繁に報道され、マスコミは医師の怠慢を責めている。主治医が画像診断報告書を詳細に確認できていないケースが多く、自分の専門部位だけを見て他臓器のがんを見落としているケースもある。
◆電子カルテ上での情報伝達の確認に、ダブルチェック機能などの防止策が講じられているが、医師の多忙、膨大な検査件数、放射線科医の不足といった現実に、事故防止にも限界があるようだ。
◆とは言え、医療は命を救う過程で罪を作ってはならない。将来、AIによる画像診断付きCTや患者との医療情報共有システムも実用化されるであろう。ヒューマンエラー対策もAIに頼ることになるのかもしれない。(誠)