
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
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府医ニュース
2018年2月28日 第2848号
此花区医師会(板東博志会長)は認知症等高齢者支援地域連携事業として開催している「認知症の診断・支援のためのアセスメント研修」を平成29年11月17日午後、同区内で開催し、会員、訪問看護師やケアマネジャーなど関係者70人が受講した。
開会あいさつで板東会長は、認知症には早期発見・早期治療が重要であるが、その支援には、医療・看護・介護・行政などの関係者による協働が不可欠であると指摘。研修成果をそれぞれの領域で認知症の人の支援につなげてもらいたいと話した。
はじめに、中西亜紀氏(大阪市立弘済院附属病院副院長・認知症疾患医療センター長)が、「早期発見・早期受診の重要性と必要性」と題して講演した。中西氏は、認知症と気付くこと、認知症と気付いても受診に結び付けることが難しいと指摘。更に、症状が多様であるため、各段階において求められる医療・ケアが変わるなど、アセスメントが容易ではないことを示した。また、アセスメントツールについて、「何を見ているのか」「何を目的とするのか」などを十分理解することが必要であると述べた。加えて、大阪市では初期集中支援事業が進んでいることを報告。過去4年間で2千件以上の支援が行われる日本の中でも先進地域のひとつとした上で、各事例を通じた課題や解決策の共有が重要とした。
引き続き、「地域でのアセスメント」をテーマに、木村由美子氏(此花区認知症初期集中支援チーム看護師)および中岡幸氏(此花区保健福祉センター保健福祉課担当係長)が登壇。それぞれの立場から認知症の人に対する具体的な支援などについて講演を行った。
最後に、此花区医師会理事で認知症サポート医でもある小畑優子氏(日野医院理事長)が「医師は診断の時、なにを見ているのか」と題して、専門医ではない開業医が行う日常診療の視点から報告。小畑氏は診察室に患者を迎える際、歩き方、足の運びや顔の表情に注意を払いながら診断し、専門医につなげることが必要であるとの考えを示した。